双子と角笛






CHANGES DESTINY...


【9】

















?」

「へ?あぁアルウェン姉様どうしたの?」


その日。
与えられている自室にてエルフ語の勉強をしていた彼女は不意の訪問者に花の様な笑みを浮かべる。
アルウェンは表情は変えないものの内心「何て愛らしいっ」と身悶えている(怖)


「丁度良かったわ。少し時間いいかしら?」

「はい!」


どうしたのです?
とアルウェンに駆け寄り首をかしげるを必死に抱きしめたい衝動を抑えながら彼女の手を取るとゆっくりと歩き出す。


「お兄様達が戻られたの。またすぐにオーク狩りに行ってしまうでしょうから…」

「お兄様達が?」

「そう。だからその前に貴女を紹介しておきたくて。」

「へ〜…やっぱりすんごく綺麗?」

「フフ…如何かしら?」


この親子なんだから綺麗なんだろうなぁ…。


「でもどっちか分らないかもしれないわね。」

「え?」

「いいえ。なんでもないわ。」


少し歩いて、広間へ入る扉の前に来るとゆっくりとアルウェンは扉を開ける。
と、その時扉が開いた瞬間中から飛び出してくる人物が二人。
その人物達は行き成りの事に驚いていたを急に両側から抱きしめる。


「「あぁ。会いたかったよ愛らしい姫君っ!!」」

「なっ!?…???」

「ちょっ。お兄様達!!」


部屋の中に居たのであろうエルロンドが慌てて駆け寄ってくる。


「何をしておるのだ!!馬鹿者がっ!!?」


ドガァッ!!


鈍い音を立ててエルロンド卿の怒れる鉄拳が二人の見目麗しい兄弟に振り下ろされた。


「っ!?」

「父上!何をなさるのですっ!!」

「その前にを離さんか!」

「あの〜??」


こっこれがお兄様達??話には聞いてたけど…。
本とに見た目が全く同じだよ;;
でもすんごく綺麗。あっ私原作読んでないや。


暢気に考えていたをばっと兄弟から引き離したエルロンドは彼らを睨む。


「行き成り何をしておるのだ!」

「「感動の抱擁を」」

「お前達は…音沙汰もなく行き成り帰ってくるや否や…。」


怒りの為か震えるエルロンドに流石にやばいと察したのか兄弟はエルフ式の礼を取る。


「失礼しました。愛らしい姫君。」

「ただいま、戻りました父上。」

「全く…お前達は…。」

「あっあの。」


二人が礼をしたためも慌てて二人の前に行く。
ぺこりと今だ人の癖の抜けないは頭を下げるとニッコリと笑みを浮かべた。


「始めまして。お兄様達。といいます。」

「「………。」」

「お兄様?」

「あぁ!なんて愛らしいんだい!私はエルロヒア。」

「こんなに可愛らしい姫君は見たことが無いよ!私はエルラダン!」

「あっ////はっはい;」


またも両側からひしっと抱きついてきた美麗な双子には頬を染める。
正直にはこの二人の兄弟の見分けが付いていないので、こくこくと頷くだけだ。
またも怒鳴り上げようとした拳を振り上げかけたエルロンドに向かって二人の兄弟は声を掛ける。


「「父上っ!!」」

「……何だ。」

は養女なのでしょう?」

「それが如何した。」

「それならば婚姻関係になっても問題は無いですよね!」

なっ


怒りとも呆れとも見てとれるエルロンド卿は叫ぶかのように怒鳴った。


「何を考えておるのだっお前達はっ!!!!」


二人を引き離そうと三人につかつかと近寄ろうとすると。
不意に扉から金髪のエルフが入ってくる。


「エルロンド卿……?」

「あぁフィンデル…ちょっと待ってね?」

「はぁ‥?」


部屋に入ってきたのはグロールフィンデルだった。
彼は部屋の中の状況を飲み込めず困ったような顔で裂け谷の主を見ていた。


「お父様。フィンデルが来ています。」

「あっあぁ…。お前達もいい加減離さんかっ!!!それで、なんだ?」


厳しく兄弟を睨みつけるとフィンデルへ向きを変える。


「あっはい。ゴンドールからの訪問者がきております。」

「そうか。分った…此処へ通してくれ。」

「分りました。」


はゴンドールと聞いて瞳を輝かせる。
彼女が助けたいと願った人物の一人が到着したのだ。


「フィンデルさん!その方は角笛を持っていましたか?」


突然双子に抱きつかれていたは声を上げる。
それに驚いたような顔を向ける周りの面々。


「えっえぇ。確かに角笛をお持ちでしたが?」

「そうですかっ!」

?その御方とお知り合いなの?」

「えっと…なんというか。」

「お前が言っていた助けたい者か?」

「そうです!」


は満面の笑みだ。
すると、其処に訪問者を連れたグロールフィンデルが部屋へ入ってくる。


「お連れしました。」


入って来たのは一人の偉丈夫。
長き道を旅してきたであろう出で立ちだが、服装などには品格がある。
鈍い色の金髪と彫りの深い顔。
彼は部屋へ入ると双子とへ視線を向け驚いたような顔をした。


「すまぬ。立て込んでいてな…。」

「いっいえ。」





は彼の話を聞きたいと身を乗り出そうとしているのだが、それを何故か双子が必死に抑えている。


「あの‥お兄様?」

「何だい?」

「如何したんだい?」

「いやあのですね…。」

「お兄様達…いい加減を離して下さらないかしら。」

「それは困ったなぁ…。」

「私達とはくっついて離れないんだよv」

「………アルウェン姉様(泣)」


アルウェンはを引き離さんと近づく。
そうすると、二人はを抱えて逃げようとする。


「…そうか。それではやはり…あれの影響か‥。」

「あれとは?」

「長旅で疲れたであろう。暫し休息を取られよ‥。ッ…。」

「お兄様達!!を下ろしなさいっ!!」

「「やなこった!!」」

「ゆっ揺れる;;」

「えっエルロンド卿?」

……お前達はっ!!!!静かにせんかっ!!!


エルロンド卿の怒鳴り声が響く。
流石に動きを止めたアルウェンと双子に近寄ると。
彼等がしっかりと抱きしめているをばっと引き離し自身が抱える。


「あっあのお父様…抱えなくても;」

「「はっ!?父上!ずるいです!!」」

五月蝿い。

「「…………。」」


の声に我に返って双子はすぐさま抗議をするもののエルロンドの怒りの声に黙る。
アルウェンは双子よりもましと思ったのか静かにしている。
エルロンドはを抱え、呆然と事の成り行きを見ていた偉丈夫の前にまで行くと下ろしてやる。


。彼はゴンドールの執政官デネソールの息子。ボロミア殿だ。」

「始めまして。ボロミアさん。」

「此方こそ…。エルロンド卿この方は?」

「私の養女。名をと言う。」


ボロミアは目の前でにこにこと微笑んでいる少女を見違和感を感じているようだ。


「もしや…人間ですか?」

「いいや。はハーフエルフだ。」

「そう…ですか。」

。ボロミア殿を客間へご案内してくれるか?」

「はい!!ボロミアさん行きましょう。」

「あっあぁ‥。それでは失礼します。」


エルロンドの言葉を聞くとはぱっとボロミアの腕を取り部屋を出て行く。


「エルロンド卿。客人の為に湯浴みの準備をしてまいります。」

「あぁ。頼む。」


グロールフィンデルが部屋を出て行くと、彼はゆっくりと固まっていた双子に振り向いた。


「「ちっ父上?」」

「お前達は…少しは大人しく出来んのか…。」


彼の額には目に見えて青筋が浮かんでいた。
暫し、広間からエルロンド卿の怒鳴り声が響いていたのは言うまでもない。
































後記

レゴラス何処行ったんだろう(笑)
なんつーか双子書いてるとツインズを連想;;
ようやくボロミア出せました!!次はボロミア一色でvv




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