早朝の一コマ
CHANGES DESTINY...
【6】
「ミスランディア!!?」
「なんじゃレゴラス。慌しいのぉ。」
珍しく声を荒げ、焦ったように部屋に飛び込んできたレゴラスを見てガンダルフは咥えていたパイプを下ろす。
レゴラスはそんなガンダルフの視線も無視し一気にまくし立てる。
「が…が部屋にいないんです!」
「なんじゃと?」
「昨日確かに部屋で寝ていたはずなのに…」
「起きてどこかに居るのではないのか?」
「はまだこの館に慣れていません!!勝手に出歩くはず‥」
「どうしたのです?」
「アルウェン!!」
「レゴラス?」
騒ぎを聞きつけたのかドアの所に立つアルウェンに飛びつき必死の形相での事を聞いてくるレゴラスに、
アルウェンは面白いものを見たような顔で見つめる。
「が!!」
「あぁ‥だったらお父様の…。」
「分かった!」
「あ……全く…でもあんなに慌てたレゴラスなんて始めて見たわね。」
「どうゆうことじゃの?」
ガンダルフの問いにアルウェンはニッコリと微笑んだ。
「ミスランディアにお伝えしようと思い来たのです。」
「何じゃ?」
「を正式に我が父エルロンドの娘として迎えました。」
「おぉそうか…それはよかったわい。ではは…。」
「えぇ。」
にっこりとアルウェンは何処か楽しげに微笑んだ。
「!!?」
エルロンド卿の自室まで駆け込んできたレゴラスはそのままの勢いで部屋へ飛び込んだ。
部屋の中は薄い布越しの柔らかな光で仄かに見える。
今だ動かないベットへレゴラスは其処がエルロンドの部屋というのも忘れスタスタと歩いていく。
「……ごく。」
バサァ…。
「っなぁ!?!」
レゴラスの見たものは…。
すやすやと眠ると、彼女を支えるように隣に寄り添うエルロンド卿の姿。
父に縋る様に彼の寝具を掴みエルロンドも彼女の額に口付けるほど近く抱き締めている。
それを見た瞬間レゴラスは見る見るうちに耳まで真っ赤になり口をパクパクとしている。
「なっな・な・な…。」
口を押さえたレゴラスは数歩後ずさりする。
と、レゴラスの気配にエルロンド卿が目を覚ます。
ベット脇に立つレゴラスを驚いたように見つめる。
「レゴラス?…何をしている?」
「あっ貴方という人は!!?」
「おい?」
「ん……。」
「はっ早くを離してください!!裂け谷の主ともあろう方がこのような少女に手を出すなんて!!」
一気に捲くし立てるとバッとエルロンドからを引き離す。
その騒動にも僅かに覚醒しつつある。
「ん……お父さ‥ま?」
「!大丈夫だよ?私が来たからにはもう指一本触れさせない!」
「レゴラス…何か誤解しているようだが…は私の…。」
「私の何ですか!!!」
「レ‥ゴラス?」
「!!」
「ふやぁ!?」
奇声を残し、そのままの体制でレゴラスに抱き締められる。
それを見て眉が吊り上る裂け谷の主。
「れっレゴラス?どうしたの?」
「レゴラス…その手を離すのだ。」
「貴方に言われる筋合いは…!」
「ちょっちょっと;;お父様?コレは一体??」
「だから、お父…様??………え?」
の一言に固まるレゴラス。その間にを自身の方へ引っ張るエルロンド卿。
は意味が分らないのかレゴラスとエルロンドを交互に見ている。
「今……何と?」
「え?……ぁ…そういえばレゴラスには言って無いんだ;」
「は私の娘…養女となったのだ。」
「あ――…それで…お父様…ね。」
「あっお父様!ごめんなさい昨日…途中で寝ちゃって;」
「いや。気にせずともいい。話し込み過ぎたからな…。」
「あれ?でも私なんでお父様の部屋に?」
「あぁ…それはな…。」
「そっそうですよ!幾ら娘になったからって年頃の子を自分の部屋に‥あまつさえ一緒のベットで寝るなんて!」
「ぇ……。そうなの?」
レゴラスの勢いに一瞬驚いた顔をしたは彼の言葉に父、エルロンドを見上げる。
エルロンドはそれまで恐ろしく吊り上っていた眉を下ろし柔らかな笑みを浮かべる(に対してのみ)
「が私の服を離さなかったのだ。仕方ないだろう?」
「え//////うわっ;;ごめんなさい;」
「…甘えてくるような子は居なかったからな‥私も嬉しかった。」
「アルウェン姉様は?」
「小さい頃はあれでも可愛らしかったのだが…」
今では母親に良く似てきた…
色々な意味で(涙)
「あらお父様私は今でも十分に可愛らしいですわ。」
「「「っ!!?」」」
凍結する空気。
アルウェンの笑顔が此れほどまでに恐ろしいとは…。しかも自分の事を可愛らしいという時点で凄まじい。
とレゴラスは何気に視線を逸らす。エルロンド卿の額に冷や汗が伝う。
アルウェンはスタスタとに近寄り彼女の手を取る。
「さぁ。朝食が出来ています。行きましょう?」
「あっ‥はっはい。アルウェン姉様;」
アルウェンとが部屋を出てからようやく部屋に空気が戻る(笑)
どっと疲れたかのようにエルロンド卿はベットへ座る。
「あれでも…昔は素直だったのだ…。」
「そうですか…;」
何時からあんな恐ろしい娘に(涙)
レゴラスは実は此処、裂け谷の支配者はアルウェンではないのかと思ってしまうのだった。
後記
家族夢?…レゴラスが壊れた;;
それにしても絶対エルロンド卿はアルウェンに押されてそう(笑)
何せあのお方の孫だし(笑)
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