新しい家族






CHANGES DESTINY...


【5】

















「ん……?」


辺りはシンと静まり返り部屋は闇に支配されていた。
はもぞもぞとベットから起き上がると辺りを見渡す。
幾分暗闇に慣れた瞳で部屋には自分だけだと気付く。もしくはエルフの能力のせいか闇の中でもはっきりと物が見える。


「あれ?レゴラス…?」


先程まで部屋に居たレゴラスの姿はない。


「私…寝ちゃったんだ…。レゴラスには悪い事しちゃったなぁ…。」


自嘲気味に呟き、ベットから降りるとそっと部屋から出た。
部屋の外は各箇所に明かりが灯され仄かな光が闇に溶けていた。
はエルフの衣装のままなので引っかからないように注意しながらゆっくりと歩いていく。


「…何か情けないや…。」


テラスに備えられた長椅子に腰を降ろし、景色を眺める。
淡い明かりが点々と灯り、静かな裂け谷を昼間とはまた違った幻想的な姿に変えていた。
空には満月が昇り柔らかな光をたたえている。


「……後でレゴラスに謝らないと。」

‥」

「ぇ?っ!!えっエルロンド様。」


彼女の後ろに静かに佇むのはこの館の主エルロンドの姿。
ゆっくりと彼女の隣に腰掛ける。


「どうした?」

「あ…いっいえ…。」


正面から彼に見つめられは視線を外す。
するとエルロンドは彼女の頭を優しくその掌で撫でる。


「行き成り人間ではないと知っては誰しも動揺するものだ。」

「…はい。」

「自分が人間で無いことに嫌悪を抱いているのか?」

「そんなことありません!!!」


彼の問いに強い言葉で返したは慌ててまた顔を下げる。
エルロンドはふと笑みを浮かべる。


「正直、嬉しくもあるんです。人を守るにもその方が有利ですし…でもただ、急だったから頭が混乱してしまって…。」

「其方は異世界から来た。だが、此処中つ国の者であるのもまた事実。」

「………。」

「其方も我々と共に此処に生きる意味がある。それを恥じてはいけない。」

「エルロンド様…。」

「そうだ。其方に伝えたい事があったのだ。」

「はい?何でしょうか?」


エルロンドは彼女の髪を撫でながら優しく問いかける。


「もし…其方が此処に居る事を望むのなら、私の養女にならないか?」

「え!!?」

「其方はこの地に”家族”は居ない。ならばその家族に私がなりたいと思ってな。」

「でっでも私は…何時消えるかも分らないんですよ?」

「其方が望めば帰ることも出来よう。だが、私は其方を気に入っている‥そしてとても大事だ。だからこそ…娘として迎えたい。」

「エルロンド様…。」

「其方が構わなければだが。」

「いいえ…そんな勿体無いです…私…もし帰れなかったら…目的を果たしても帰る所が無いって思ってて…ぅ。」


はエルロンドの言葉に話しながらも涙を零す。
エルロンドは優しく彼女の頬を流れる涙を拭ってやる。


「すごく…すごく嬉しいです…でも…私なんかで…?」

「ぜひ我が娘に…。」

「はい…。エルロンド様…。」

「そうか…ではもう敬称は要らぬ。」


そう言って彼女の額に軽くキスをする。
はぎゅっとエルロンドに抱きつく。


「お父様…。」

「愛しい娘…よ。其方の帰る場所は此処裂け谷の私の元だ。」

「はい!!」


しがみついてくるの背を摩りながらエルロンドは笑みを浮かべた。
とその時不意に二人に近寄ってくる影がある。


「お父様。」

「あぁ。アルウェン…か。」

「お話はすみまして?」

「あぁ。はこれから私の娘だ。」

「ふふ。よかったわ…。」


彼女は二人の前に佇む。も慌ててエルロンドから離れアルウェンを見つめる。
アルウェンはさながら月の女神の様に微笑む。


。これからは私達は家族よ?気兼ねなくお話しましょうね?」

「はい!…アルウェン姉様////」


頬を染めはにかみながら呟くにアルウェンは思いっきり抱き締める。


「こんなに可愛い妹が出来て嬉しいわ!」

「//////」

「そういえば‥エルラダンとエルロヒアは…まだ帰ってきていないのか?」

「えぇ。お兄様たちは多分また何処かでオークを狩っているんでしょう。」

「えっと…お兄様ですか?」

。敬語でなくてもいいわ?」

「あっ。ごめん;;」

「エルラダンとエルロヒアという兄がいるのよ。文を出しておいたから帰ってくると思うわ。」

「へ〜…知らなかった…。」


今だにを抱き締めたまま離さないアルウェンにエルロンドは声を掛ける。


「アルウェンいい加減を離したら如何だ?」

「あら。お父様、新しく出来た可愛らしい妹との大切なスキンシップを止めろとおっしゃるの?」

「そうは言わんが…どうせお前の事だ、明日からを離さぬだろう?」

「ふふふ…可愛らしく飾り付けますわvv」

「(かっ飾り付ける;;アルウェンってこんな人だったっけ…?)」

「その前に私に貸してくれても良いだろう?に色々と聞きたい。」


エルロンドの言葉にアルウェンは暫し考えると渋々を離した。





その後、とエルロンド卿はベンチに座りの世界の事等を話していたのだが、
がまたもや途中で夢の世界に行ってしまい。仕方なくエルロンドは一番近かった自室へと彼女を運び入れた。
その姿を半ば悔しそうに見ているアルウェンの姿があったとか。




























後記

話し方が分らん;;;あ〜あってるのか;
今回は家族夢ぽいですね・
というかエルロンド卿の台詞後から読み返してみたらプロポーズみたい・・;
まっいっか。




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