自覚とエルフの思い
CHANGES DESTINY...
【4】
案内された部屋に帰ってきたはふぅと溜息をつくと、ベットに倒れこんだ。
そのまま空を眺めぼぉっと先ほどの事を考えていた。
「ハーフエルフかぁ……。」
まさか自分が人間じゃないだなんて…。
今まで生きてきてそんなこと自覚した事も無かった‥。まぁ当然か(汗)
でもどうして私は此処に来たんだろう?確かに助けたいは願ったけど…どうしてあっちの世界に生まれて急にこっちに来ちゃったんだろう。
「?」
「?」
戸をノックする音が聞こえ、が返事をすると心配気な顔を覗かせたのはレゴラスだった。
彼女は起き上がり笑みを浮かべる。
「どうしたの?」
「どうしたじゃないよ…大丈夫かい?」
「う〜…ん…。あのね…話しときたい事があるんだ。」
彼女同様ベットに腰掛けたレゴラスは彼女の言葉に耳を傾ける。
はいつになく真剣な顔で言葉を紡ぐ。
「エルロンド卿とガンダルフから言われたの。私は人間じゃ無いって。」
「っえ!?」
「ほらスランドゥイル様が言ってたでしょ?異世界からの救世主が…って内容の歌。」
「うん‥。」
「その話の女(ヒト)はエルフだったの。」
レゴラスは驚いた顔のまま彼女の瞳を見つめる。
彼女は落ち着いた顔でレゴラスを見上げる。
「びっくりしたよ〜行き成り人間じゃないとか言われてさ;」
「…。」
「でもでもエルフだよ!!すごいなぁあんな綺麗な種族と多少なりとも同種だなんて!」
笑みを浮かべるにレゴラスはふと哀しげな瞳を向ける。
「強がってる?」
「っ…。そんなこと無いよ?」
「そんなはず無いだろう?急に今までの自分を否定されたようなものだ。」
「違う!否定なんてされて無い…はずだよ。」
レゴラスはをそっと抱き締める。
彼女の瞳からツッと涙が零れ落ちた。
どんなに頭で理解しようが今まで人間として生きてきた彼女に真実は辛すぎた。
「ふっ…レゴ…ラスっ…」
「泣いてもいいんだよ?」
「うん…でも…レゴラスと少しでも同じ種族になれたのは本当に嬉しいんだよ?」
「うん…。」
泣きじゃくりながら彼の胸にしがみ付く彼女の背を優しく撫でながら柔らかな笑みを浮かべる。
「?…寝ちゃったのかい?」
静かな吐息が漏れ彼の服を掴んだまま眠りについてしまった少女をゆっくりと抱えなおしながら彼女の頭を撫でてあげる。
涙の後が残る頬にキスをしゆっくりとベットに寝かせる。
「…わたしは…」
君が大きなショックを受けている事は分ってる。でも…
君が知ったら悲しむだろうか?怒るだろうか?
わたしは君がハーフエルフと聞いて驚きと共に、喜びを感じてしまった。
人間ならば叶わぬ思いで終わっていた。それでも君が居なくなるまで傍にいたいと思っていた。
でも…君が私と同じエルフの血を引くと知り、ずっと傍に居られるかもしれないと思ってしまった。
「わたしを許してくれるかい?」
「んぅ……。」
彼女の柔らかな黒髪をそっと梳かしながらふと髪の間から見える耳に視線が止まる。
はよく長い髪を鬱陶しいと言って一つに結んでいたのだが、その時見えていた耳は確かに人の物だった。
だが今の彼女の耳はやや尖り、エルフの耳になりつつある。
「君が永遠を望めばいいのに…。」
後記
主人公さんやはり悩んでますね‥。
というか本とにレゴラス夢になってる気がする;;
次の予定は…エルロンド卿とアルウェン!!
ファイト〜
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