MATRIX-8
THE INNOCENT PROGRAM
【 8 】
「ネオ!!」
「どうしたんだ?トリニティ?」
「ロゴスが見つかったわ。」
「ロゴスが!?」
「モーフィアス…貴方大丈夫?」
「あぁ…」
陰りのあるモーフィアスの表情にナイオビは眉を顰めた。
ハンマー号に戻った面々は何があったのかとナイオビ達に話を聞いている所だった。
と。そこにネオとトリニティがやってくる。
ナイオビの近くに居たゴーストは二人に気づき近づいた。
「二人とも無事だったんだな。」
「ゴースト!あなたも無事でよかったわ!」
「それより…は無事か?」
「どうしたんだ?は預言者達の所に戻ったが…。」
「それが…。」
ゴーストは訝しげな二人に自身が見た事を話した。
センティネルに追われ危機的状況の時、らしき人物が現れセンティネルを撃退したこと。
何時の間にかナイオビとモーフィアスも話しに加わっていた。
「でも普通に考えて彼女はこっちにこれないはずよね。」
「私…同じようなを見た事があるわ…エージェントに撃たれた時に屋上で!」
「それでは…は現実世界に来て我々を救った…と?」
「良く分からないけどそれがの能力なのかもしれないな…」
「ともかく…今はザイオンに戻るのが先決だな…。」
ゴーストの言葉にナイオビは頷きスパークスに何事か伝えている。
ネオとトリニティは顔を見合わせた。
「…大丈夫かしら?」
「ならきっと無事だよ…それにセラフも居る。」
「でもッ!」
「トリニティ…を信じよう。」
「………えぇ。そうね。」
「でも…どうしよう…なんか嫌な予感がする…。」
はバックドアを宛ても無く歩きながら溜息を付いた。
「ッ?」
背後に迫る悪寒に彼女は慌てて後ろを振り返った。
「なっなに?」
果ての見えないバックドアの一番奥から徐々に暗くなっていく。
は首を傾げ徐々に黒くなる廊下を凝視する。
「一体…何が起こってるの?」
徐々に黒くなるバックドアの先を見据え驚きの声を上げた。
「扉が!?」
先から暗くなるのと共に扉の色も黒く塗りつぶされていく。
は焦って近くのまだ白い扉に鍵を差込何も考えずに中に飛び込んだ。
「びっびっくりした……って…ここ何処?」
彼女が入った部屋は薄暗く広かった。
目を凝らすように辺りに視線をやった。
「誰だ。」
「ッ……て…その声…。」
「?…おぃまさか…。」
「「か?」」
「ツインズ!?」
薄闇から現れたのはツインズだったは気が抜けたのかその場に座り込んでしまった。
ツインツーは慌ててを抱き支えツインワンは部屋の電気をつけた。
「えっ…此処って…ツインズの部屋?」
「あぁ。急にどうしたんだ?」
「何かあったのか?顔色が悪ぃぞ?」
「それが…」
は掻い摘んで事の事情を説明した。
ベットに座った彼女を囲むように立ちツインズは少し考えているようだ。
「あっメロビジアンさん達はクラブから戻ってきた?」
「いや…まだ連絡が来ていない…。」
「もしかしたらスミスさんに襲われてるかもしれない…。」
「それはやばいな…。此処にも来る可能性がある。」
「でも此処はメロビジアンさんの作った空間でしょ?」
「それでも進入する事は出来るからな…。」
俯くツインズには立ち上がり彼らを見上げた。
「メロビジアンさん達を助けに行かないの?」
「……そうだな。だが、はどうするんだ?」
「も一緒に行こうぜ?」
「でも…私はやる事があるの。」
「「やる事?」」
「うん。スミスさんを止めないと。」
ツインズは彼女の言葉に驚いた様子だった。
彼女の強い意志ある瞳を見据え大きく溜息をついた。
「はぁ…全く…。」
「まぁ…決めちまったもんは仕方ないか…」
「俺達ではを止められないだろうからな。」
「ごめんね?」
彼女の小さな頭を二人で撫でながら苦笑する。
「ともかく気をつけろ。」
「今のスミスはやっかいかもだしな。」
「うん!頑張る!」
「それじゃあ俺達は行くか…。」
「マスターとマダムを探さないとな。」
彼女から離れドアに向かう二人にも付いて行く。
背後から思いっきり二人に飛びつき彼らの背に抱き付く。
こつんと額をあてて小さく呟いた。
「絶対に絶対に無事で居てね?」
「「もちろん。」」
ツインズは振り返り彼女の小さな身体を抱きしめた。
ツインワンは彼女の頭を撫で。
ツインツーは彼女の額にキスをした。
そして二人は柔らかく微笑んだ。
「終わったら、また逢おう。」
「今度はデートしような?」
「うん…いってらっしゃい。」
パタン…
軽い音と共に閉じた扉を見据えはやや潤んだ瞳を指で擦った。
「さって!私も頑張ろう!」
後記
せっかくなんでザイオンサイドも小出ししましたv
画面切り替わりが早くて…書き出しに困る(泣)
久々にツインズ登場!ちゃっかりデートの約束しちゃいましたね。
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