MATRIX-7
THE INNOCENT PROGRAM
【 7 】
「ッ…どうして…。」
は一旦閉じなおした扉を拳で叩きながらその場に泣き崩れる。
彼女は何処かで感じていた。今のスミスは以前セラフ達が言っていた様に危険かもしれないと。
「セラフ…オラクル…サティッッ。」
唇をきゅっと噛み、彼女の白い頬を涙が伝う。
はそれを乱暴に拭うと勢い良く立ち上がった。
きっとセラフは危険だと思ったから私を逃がそうとしたんだ…。
絶対にみんなを死なせたりなんかしない!泣いてても仕方ないんだからッ!
は視線を延々と広がる白い廊下へ向け歩き始めた。
「私は…自分なりに出来る事をする!」
「セラフ?…は…?」
「こっちへ!」
扉を閉めたセラフはサティを抱き支えながら近くの扉を無理やりこじ開け中へ飛び込んだ。
部屋の中を進み一番奥の部屋へ入ると扉を閉めた。
「きっと…此処にくるわ…。」
「…………。」
「セラフ‥は大丈夫?」
「えぇ。大丈夫です。」
此方を不安げに見上げてくるサティの頭を優しく撫でながらセラフは扉に視線を向ける。
その時。
静かに玄関の扉が開く音がした。
「ッ!!」
ゆっくりと部屋の扉が開き‥スミスが入ってきた。
セラフはサティを守るように立ちスミスを睨む。
「やぁ…。久しぶりだな。」
「また倒されにきたのか?」
「おや…が居ないな…まぁいい。」
「彼女に何をするつもりだ?」
「それは君には関係ないことだよ。……ふむ…君が目的を持たない最後のエグザイルか。」
スミスはセラフから視線をはずしサティを見据えた。
サティはセラフの陰に隠れ恐々とスミスを見上げる。
「……あなたは悪い人でしょう?」
「…それは君が私を知らないからだ。私は思うほど…悪者ではないよ。」
彼の言葉に呼応するように部屋の扉が開きスミスと全く同じ姿の複数の”スミス”がぞろぞろと部屋へ入ってきた。
「…。」
此方に近づいてくるスミスに、セラフはサティを抱き締め瞳の中にの笑みを思い浮かべていた。
『』
「…セラフ…?」
一人。
バックドアの中を歩きながらは不意にセラフの声を聞いた気がした。
後記
セラフとスミスさん部分は悩みました;;映画ではないシーンもあるから。
彼の意識が消える瞬間に思い描いたのはさんの姿だったんでしょう。
それにしても次はどうしようかなぁ…ツインズ達の所も‥襲われてそうだし。
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