MATRIX-4
THE INNOCENT PROGRAM
【 4 】
「うは――…見事にボロボロだねぇ。」
「大丈夫ですか?」
「うん全然平気。」
はセラフの問に、にっこりと微笑んだ。
クラブの入り口へ続く部屋はそれはそれはボロボロになっていた。
死屍累々と横たわる男達と瓦礫だらけだ。
は戦闘の間中セラフに片腕を引かれていた。
「ん〜〜‥にしても…この人達の格好って…。さっきの女の人もそうだけど。」
「メロビンジアンの趣味が疑われるわね。」
「そうだねぇ。ちょっと此れは好みじゃないかなぁ…。」
横たわる男達を横目には目のやり場に困っているようだ。
セラフは彼女の隣を歩きながら先へ促す。
「。出来れば次の部屋では目を瞑っていて欲しいんですが…。」
「はぃ?そっそんなことしたら撃たれちゃうよ?」
「目の毒です。」
「えぇ;;」
「いいですね?私の服を掴んで離れないように。」
セラフの言葉は冗談ではない。本気だ。
は渋々頷いた。
はセラフの服を掴みぎゅっと瞳を閉じている。
瞳を閉じているので余計に五感冴え敏感になっているようだ。
「ぅ〜〜…。」
銃を構え直す音がし、何時ぞや聞いたメロビンジアンの声が響いた。
「おやおやこれは…珍しい客だ。放蕩息子が帰ってきたか…"翼の無い天使"がね。賞金を受け取りに着たのかセラフ?」
浪々と響く声にの身体がビクリと反応した。
「話をしに来ただけだ。」
「ほぉ。話をするだけの為にずいぶん暴れてきたようだな?銃を降ろせ‥そうすれば無事に此処から帰してやろう。」
「4人ともか?」
「あぁ勿論。」
セラフは暫し考えて銃を降ろした。
それに伴いトリニティとモーフィアスもならった。
メロビンジアンの笑い声が響く中はセラフの上着をぎゅっと握り彼に声を掛けた。
「せっセラフ?」
「…仕方ありません。瞳を開けて。」
「うっうん。…ひっ!?」
セラフにくっ付きながらゆっくりと瞳を開けると…。
自分達を囲うのはラバーやエナメルに包まれたボンテージスタイルの男女。
は小さく息を呑み更にセラフに寄り添うように歩き出した。
階段を上がり二回のテラスに行くとメロビジアンとその妻のパーセフォニーが居た。
「セラフ。お前がこいつらを連れてきたということはあの占い師は無事ということだな?」
「………。」
セラフの背に隠れるようにして立っていたを見つけたメロビンジアンは笑みを深くする。
「ほぉ…これはこれは。」
「ぁ‥先日はどうも…。」
声を掛けられたサチは慌ててセラフの前に出る。
「ツインズから話は聞いている…今度是非食事をしたいものだね…。もちろん私の城で。」
「あっはい…。」
「それにしても…。」
頭を下げたに笑みを浮かべ改めてメロビジアンはセラフ達を見渡した。
グラスを片手で軽く揺らしながら彼は至極楽しそうだ。
「あんなことがあった後にこんなにも早くお前達を関わる事は、偶然とは思っていない。」
「ネオは何処なの?」
メロビジアンの口上を無視しトリニティがずばりと本題に向かう。
「救世主か…返して欲しいのか?」
「当然だ。何処に居る。」
モーフィアスの言葉にメロビジアンは嘲笑した。
「そうだな…私には欲しい物がある。」
隣に座っているパーセフォニーと顔を見合わせ再度此方を向き手にしたグラスの中のオリーブを口に含む。
するとセラフが焦ったように問いかける。
「何が欲しい?」
「彼女だ。」
「ぇ…。」
「勿論彼女もだが…もう一つ欲しい物がある。預言者の目だ。」
「…………。」
モーフィアスとトリニティは顔を見合わせは動揺したようにセラフを見上げる。
彼女の肩に手を置いていたセラフはどうやら怒っているようだ。
オリーブを飲み下し、残りのグラスを皆に見えるように掲げたメロビジアンは勝ち誇ったかのように笑みを浮かべた。
「預言者の目を持って来い。そして彼女を渡せば…お前達の救世主は返してやろう。」
シンっと静まり返った周囲で一番早く感情を露にしたのはトリニティだった。
サングラス越しにメロビジアンを睨みつける。
「こんなくだらない事に付き合う必要ない!!」
近くで銃を突きつけていた男を蹴り上げる。
それが合図だったかのようにセラフも近くの男に向かう。
は如何したものかと驚愕した顔のメロビジアンとニッコリと微笑むパーセフォニーを見る。
ジャキンッ!!
一人の男の腕を蹴り上げ中を舞った銃をキャッチしトリニティはメロビジアンの額に向ける。
セラフはトレインマンにモーフィアスは部下の男にまた周りの部下達の銃も彼女達に向けられている。
辺りが緊迫し空気が凍る。
「……あの…。」
小さく響く少女の声に周囲の視線が向く。
はメロビジアンを見据えしっかりと言葉を紡ぐ。
「ネオを返してもらえませんか?」
「……あの男の為に死ぬ気なのか?」
彼の問いかけに答えたのは他でもない彼の妻だった。
「彼女ならやるわ…必要なら此処に居る全員を殺す。彼女は恋しているもの。」
パーセフォニーの言葉にメロビジアンは憎々しげに話す。
「恋をしている者と異常をきたした者の数値が全く同じだ‥。」
彼の言葉を聴きトリニティは微笑んだ。
「さぁ。どうするメロビン?」
「……分かった。」
渋々言葉を紡ぐメロビジアンにはにっこりと笑みを浮か彼の手を握り上下に振る。
周囲はの行動に驚いたような視線を一斉に彼女に向ける。
「本当ですか!!ありがとうございます!!」
「あっあぁ…。」
「やったねトリニティ!ネオを助けられる!!」
「えぇそうね。」
その場に似つかわしいふんわりとした柔らかな微笑を浮かべたに、
周囲の者達は呆気に取られたのか半ば呆然としている。
「ふふふ。」
そんな彼女にパーセフォニーは楽しげに声をあげ立ち上がるとに近寄り彼女の目線に背を屈める。
行き成りパーセフォニーの美しい顔が目の前に来たは思わず女性相手に赤面してしまう。
「可愛らしいわね。城でツインズが待っているわ。今度是非いらしてね?」
「はっはい。」
徐にの柔らかい頬に両手を伸ばしそのまま軽く口付ける。
はあまりのことに驚き瞳を見開きされるがままになっている。
パーセフォニーの行動に周りが、あのメロビンジアンやセラフでさえも凍りつく。
後記
衝撃的場面で終わりました(笑)
ゲームして思ったんですがマダムは男女関係無くキスしまくってますが;;
ナイオビさんもゴーストにもしてました;;
と、いうことで(笑)
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