MATRIX-15






THE DREAM AND ACTUAL GORGE
【 15 】
























それから何とかエージェントの攻撃をトリニティのすばらしいドライバーテクニックで退け、車は急停止した。
全員が車を降りると背後からツインズの車が追ってくる。
モーフィアスは車を見るとトリニティに視線を向ける。


「キーメイカーとを連れて行け!」

「!!」


トリニティはモーフィアスの言葉に一瞬、躊躇うものの外下を走るトラックにバイクが乗せられているのを見るとキーメイカーとを引っ張って駆ける。


「ちょっ!?トリニティ!!」

「っ!!!」


はトリニティに掴まれていたコートを脱ぎ捨てる。
スローモーションの様にトリニティとキーメイカーが下へ落ちていくのを見据える。
二人は無事トラックに飛び乗りを見ていた。


…如何して行かなかった。」

「私はモーフィアスにも、ツインズにも死んで欲しくないから。」

「……仕方ないな…。」


はシンプルな黒のタンクトップ姿になっている。
呆れたモーフィアスの呟きに彼女は悪戯が成功したような顔で微笑む。
ツインズの車はが居る事に気付くと彼等も停車する。
車から降りた白い双子はの姿に安堵したのか笑みを浮かべる。


「「!!」」

「モーフィアス。キーメイカーさん達の所に行って。」

「だが…。」

「私は大丈夫だから。」

「……。」


はモーフィアスに向けてニッコリと微笑むと下を指差した。
外下には先程同様トラックがタイミング良く走りぬけようとしていた。
それをみたモーフィアスはトラック目指して飛び降りた。


「っ!?」

「ちっ…。」


ツインズは慌てて駆け寄るもののモーフィアスを乗せたトラックは既に遠くへ走り去っていた。
双子は大きな溜息を付くと隣に佇んでいたを見る。


「キーメイカーを取り返せなかったな…。」

「しかも逃げられた…。」

「というか取り返す目的なら撃たなくてもいいでしょうが…あれ怖かったんだよ〜!!」

「あぁすまん…;;」

「仕方ねぇだろ。車を止めねぇとどうにも出来ないし…。」

「もう!!」


むくれるの頭を二人して撫でてやる。


「まぁが居るからいいか…。」

「そうだな。マスターもが居るなら喜ぶだろう。」

「あのね…。私は一緒には行けないんだ…。」

「なんだって?」

「行けない?」

「うん。ツインズと話したかったから此処に残ったの。」


ツインズはを見る。
彼女の瞳は少し悲しげだ。


「メロビンジアンさんは私の能力を欲しいんだろうけど。私にはそんなすごい能力は無いよ。」

「それは…。」

「だが…。」

「それにトリニティやモーフィアスも心配だしね。あとネオも…だから私は皆の所に帰るね。」

「駄目だっ!!」

「そうだ!!俺達と一緒に戻ろう!!」

「ううん。それは出来ないよ…。でも別にツインズが嫌いなわけじゃないからね?ただ、このことが終わったら沢山話したり遊んだりしよう?」

「このこと?」

「なんのことだ?」

「機械と人間の戦い。それを終わらせないと…。」

「…………。」

「帰るにしてもどうするんだ?」

「鍵があるの。キーメイカーさんに貰ったから。」






『この鍵を貴女に…。』

『鍵?』

『この鍵はバックドアに通じている。貴女が帰りたい場所にいける。』

『帰りたい場所…。』

『無垢なるもう一人の救世主の為だけの鍵。』

『?…ありがとうございます…。』






「そうか…。」

「兄貴?」

「では、扉がある場所まで乗せていく。車に乗ってくれ。」

「うん。ありがとうツインワン…。」

「なっ!!おい!兄貴なんで!!」

「お前が言ったんだろ?」

「何を!!」

が決める。もし俺達の元に来なくても俺達が会いに行けばいい。」

「ぁ……っ。そうだな。確かにそうだ…。」


ツインツーはツインワンの言葉に苦笑すると自嘲気味に彼女を抱き締めた。
それを見てツインワンもまた彼女を後ろから抱き締める。


「絶対に会いに行く。」

「さっさと終わらせて遊ぼうぜ?」

「…うん。」


は彼等に抱き締められながら少し涙を零すと笑みを浮かべた。
































後記

暫しツインズともお別れですね〜。にしてもどうやってモーフィアス達と合流させようかなぁ。
あっ!?次はゴーストさんとナイオビさんかぁ…
因みにゴーストさんに関しては先に短編を読んでくださいませv




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