MATRIX-13
THE DREAM AND ACTUAL GORGE
【 13 】
「モーフィアス!!トリニティ!!」
「っ!?」
後ろから駆けて来たにモーフィアスは驚いたように見る。
彼の手には何処からか取ったのか一振りの刀が握られている。
「やっぱりモーフィアスだった!」
「如何したんだ?なんで…いや。あいつらの元から逃げ出してきたのか?」
「ううん。結果的とは言えキーメイカーさんを渡してもらえたんでしょ?それなら逃げる必要ないし。約束でしょ?」
モーフィアスと並走しながら笑みを浮かべる。
彼は走りながらも器用にも深い溜息を付いた。
「あいつらは約束を守るような奴らじゃない。現にあの白い奴らを追わせてるだろう。」
「あ。ツインズ?うん。多分追いかけてきてるよ。でも彼等も仕事だから。」
事も無げに話す彼女にモーフィアスは言葉も無い。
目の前を見るとトリニティとキーメイカーが何か話している。
「トリニティ!」
「!!よかったわ。無事だったのね!」
「うん!」
トリニティがキーメイカーに近寄りが彼女に抱き付いた途端彼女達の背後に半透明なツインズの片割れが現れる。
彼は透明なままなものの首を傾げを見る。
「あっツインワン?」
「?…お前こんな所まで…。」
「っ!?」
未だ半透明な彼を突き抜けてモーフィアスは達をキーメイカーの開けた扉へ押しやった。
ツインワンは慌てて閉まりかけたドアに腕を挟む。
すかさずトリニティは銃を取り出し、ツインワンの腕目掛けて撃つ。
耳を劈く音が響く。キーメイカーは叫んで駆け寄ろうとしたを必死に抑えている。
「ツインワンっ!!やめてトリニティ!!」
「駄目だ!!」
ツインワンは自身の腕が撃たれたにも拘らず涼しい顔をしていた。
寧ろの方が気がかりだった。
「全く…。」
待っていろって言ったのに…。
はあいつらと一緒に行くんだろうか?
あいつらは仲間だから?
もう俺達の元に帰ってこないのか?
……キーメイカーよりもの方を安全に保護しないといけないな。
と、その時後ろからツインツーが暢気に声を掛ける。
「あらら。兄貴何してんの?新しいプレイ?」
「…早くしてくれないか?」
「はいはい。」
勢い良く駆け出すと瞬時に透明になってドアを突き抜けた。
「ツインツー!!」
「あら?…お前なにしてんだよ;」
「っツインワンが!!」
「あぁ…。」
の言いたいことを理解したツインツーは口角を上げ笑みを浮かべるとを抱き止めているキーメイカーへ向かう。
「さっさと離してくれない?」
「っ!!」
すかさずキーメイカーの前に出たトリニティ。はキーメイカーが手を緩めた途端駆けて行く。トリニティは自身へ向かってくるツインツーと対峙する。
モーフィアスはドアを押さえているようだ。
「ツインワン!!」
「!近寄るな!」
はツインワンとモーフィアスの元へ駆け寄るとツインワンの傷ついた腕に触れる。
彼女の頬を涙が伝い長い睫を濡らしている。
それをみたモーフィアスは悲しげに眉根を寄せる。
そうだ。は元々"普通"の生活をしていたんだ。
そんな彼女が行き成り人が…しかも自分の親しい者が撃たれる等想像もしたことが無いだろう。
……やはりは連れて来るべきではなかったのかもしれない。
彼女には辛すぎるのではないか…?
はツインワンの腕を握り隙間から見える彼に声を掛けている。
「大丈夫?痛いよね…。っ…」
「…。大丈夫だ。この位簡単に治る。前に見ただろ?」
「ぅん…でもっ…。」
「だから泣くな?」
「ふぇ…。」
トリニティの蹴りをツインツーは簡単に腕で防ぎ懐から小型の剃刀を取り出した。
素早い動きで剃刀を振るう。彼女も何とか避けるものの薄く腕を切られてしまった。
一瞬傷に意識が行った時。
瞬時にツインツーに押さえ込まれ首筋に剃刀を当てられる。
「っ…。」
「其処を退いて。」
モーフィアスはトリニティを見、ゆっくりと扉から離れる。
扉からツインワンが入ってくるとが思いっきり彼に抱きつく。
「大丈夫??治る?」
「あぁ…。」
ツインワンは薄く微笑み彼女の頭を優しく撫でてあげた。
二人のやり取りを見ていたツインツーは何やら面白くない様子。
「腕の傷は貸しだね。」
「…もう治ったが?」
「……ペナルティでしょ。」
部分的に透過したかと思うと何時ぞやの時同様傷が、そして服の破損までもが瞬時に消える。
と、その時。
モーフィアスがツインツーに向かって銃を撃つ。
彼の頭を狙って撃ったようだがそれを透過して避ける。
だが、それが本来の目的だったようだ。
透過したツインツーの腕からトリニティは逃れるとの腕を引きキーメイカーの元へ走る。
「っ!!トリニティ!!」
「!!」
「ちっ。」
慌ててを追おうとしたツインズの前にモーフィアスが飛び出してくる。
いっぺんに二人も相手しなければいけない状況に居ながらモーフィアスは不適に微笑んだ。
「っ!」
双方からのフットワークの軽いが、一つ一つがとても重い拳や蹴りを防ぎつつ片手に持っていた未だ鞘に収まったままの刀を振るう。
それをツインツーが握るもののそのまま蹴り飛ばされ、勢いのままに鞘から刀を取り出し双子へ向けて一掃する。
透明化し避ける二人に尚もモーフィアスは刀を振るう。
「ツインズ!」
「「っ!?」」
「くっ。」
そこに車に乗ったと思っていたが彼等に駆け寄ってくる。
それを見て焦ったツインズを蹴り、牽制すると駆けて来た彼女を軽々と片手で抱え上げる。
は驚いてモーフィアスの背中を叩いている。
「ちょっ。モーフィアス!!離して。」
「駄目だ。行くぞ!」
はモーフィアスに担がれたままトリニティの運転する車に乗り込んだ。
後記
やばい‥映画借りてくるべきだ(笑)何度も見てるとはいえ戦闘シーンとかは見ながらじゃないと微妙ですね;
う〜〜ん…次はカーチェイスか…明日借りてこよう;
なんというか今回はツインワンが役得でしたね(笑)
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