MATRIX-12
THE DREAM AND ACTUAL GORGE
【 12 】
「大変です!!パーセフォニー様がっ!!?」
「なんだ?」
それから少しして、メロビンジアンが席へ戻ってきた。
パーセフォニーの姿が無いと話していた時、一人の男が駆け込んでくる。
彼の話しによれば屋敷にパーセフォニーがネオ達を連れてきてキーメイカーを渡そうとしている…と。
メロビンジアンは怒りの為か顔を赤らめ、何事かフランス語で言いながら飛び出していく。
もツインズ共々彼らについていく。
「如何したんだろう?」
「こりゃあ…。」
「マダムがとうとうキレたか…。」
「??」
メロビジアンが何やら懐から鍵を取り出し、目の前の扉に差し込んだ。
「ねぇ。何でわざわざ鍵を?」
は隣を歩いていたツインワンのコートを引っ張り疑問を口にする。
すると反対側を歩いていたツインツーがツインワンが答える前に話し出した。
「あの鍵を作ったのがキーメイカーだ。」
「あ〜…名前の通りなんだね…。」
「。良く見ていろ?キーメイカーの作る鍵は特別だ。」
「え?」
メロビジアンがゆっくりと扉を開ける。
開けた其処は先程彼女が来た時と全く違っていた。
豪奢な装飾のされた広い部屋。
部屋の真ん中には大きな扉と上部にはテラスが設けてある。
「えぇ!?」
「驚いたか?」
「うっうん!何で…あっネオ!トリニティ!?」
部屋の中央にはネオとトリニティ、モーフィアス。
そしてパーセフォニーと一人の初老の男性。
恐らく彼がキーメイカーだろう。
パーセフォニーは妖艶な笑みを浮かべメロビジアンを冷たく見つめている。
メロビジアンが声を荒げパーセフォニーを睨む。
「もしかして…痴話喧嘩?」
「コレで何回目だろうなぁ…。」
「俺はマスターよりマダムの方が怖いが…。」
一方的に話すメロビジアンの後姿を見ながら、流石のもこの夫婦の実情が分ったようだ。
しみじみと語るツインズに半ば苦笑しつつ成り行きを見守る。
すると、パーセフォニーがメロビジアンの横をすっと通り過ぎさっさと館を出て行く。
「お前達!!」
「「……」」
メロビジアンが何事かネオと話した後ツインズの方を向く。
どうやら駆け出したキーメイカーを追えということらしい。
二人はを見てどうしようかと思わず止まる。
「…マスター。は?」
「何を言っている!!さっさと行かんか!!」
メロビジアンはまで奪われては堪らないと二人を睨みつける。
だが、二人はなるべくならばから離れたくない。
「仕方ない…。」
「ちょっと待ってろ?さっさと済ませてくる。」
「え!?私も行く!!」
の返答を聞かず二人は透明になり床へと吸い込まれていく。
は如何しようかと目の前のメロビジアンとネオを見比べ咄嗟に走り出す。
それに驚いたのはメロビジアンだ。
「なっ!?」
「メロビジアンさん!ちゃんと戻りますから!!」
「っ!?」
「ネオ!気をつけてね!!」
メロビジアンの隣をすり抜けネオに笑みを向けながらまっすぐにツインズの消えた方向へ走り抜ける。
「全く…とんだお転婆だ…。」
やれやれと頭を振りつつ目の前で半ば呆然としているメロビジアンを見据える。
「どうした?戦らないのか?」
「っ!!!?」
メロビジアンは怒りに顔を染め自らの部下達をネオへと向かわせた。
「あれ〜…ツインズが…見えない;;」
暫く駆けていたは疑問を口にする。
確かに扉の開く大きな音とかなり先の前方に見える黒いコートはモーフィアス達だろう。
だが、彼女が追いかけているはずの白い双子の姿は何処にも無い。
「「?」」
「へっ?」
駆けるに並走するように両隣に行き成り半透明のツインズが現れる。
そう床から湧き出るかのように。
「それが二人の能力?」
「あぁ。」
「って。お前なにやってんだよ?待っとけって言っただろう?」
「だってさ〜…メロビジアンさんと二人になるのは嫌だもん。」
「あはは。マスターは嫌われたようだな。」
「まぁ好かれても困るよな。」
「嫌いってわけじゃないんだけど…少し苦手なだけだよ。」
「そうか。」
「そういえばもう一人は?」
「ネオなら他の部下さん達と戦ってるんじゃないかなぁ?」
「「……。」」
「あっトリニティとモーフィアスにあんまり怪我させちゃ駄目だよ?交換条件なんだし。」
「そうは言われてもなぁ…。なぁ?」
「俺達も仕事だからな。」
「だって交換でしょ〜?」
「「文句ならマスターに言ってくれ。」」
「む〜〜…。」
それだけ言うと双子はまた透明になって床に溶け込んでいく。
はその様を不思議そうに見つめる。
「…床の下走ってんのかなぁ?それとも浮いてるとか??」
どうゆう原理なんだろう?プログラムをクリア化して一時的に色を落としてるのかな??
頭を傾げながらモーフィアス達に追いつくべく走る速度を更に上げた。
後記
次はバトルシーンでしょうか…
ツインズ我慢できるのかなぁ…;;
ってか…メロさんの扱いが酷いなぁ(笑)
※この作品が気に入って頂けましたら拍手・コメントお願いします↓※

