DEATH NOTE
Nine Story
「死神の目があれば顔を見ただけで殺せます。でもそれを私の力で妨害出来ないかって考えたんです。」
「の…力でですか?」
「うん。まだ自分で理解して使ってる力は少ないから‥確証は無いですから顔を表さない対策は必要ですけど。」
「……それをした場合は大丈夫なんですか?」
「へ?」
自分の考えを話すにLは心配気な瞳を向け、立ち上がった彼女の片手を握る。
「の身体に負担はないんですか?」
「うん。大丈夫だよ。心配してくれてありがとう。」
「……そうですか。」
二人のやり取りを見ながら松田と宇生田がひそひそと話す。
「…なんだか竜崎人が変わったみたいですね。」
「俺はあの二人の関係が気になるぞ。」
「えっとそれじゃあ夜神さん。いいですか?」
「あっあぁ。」
は夜神の前まで来ると彼の両手をぎゅっと握った。
微かにLの肩がピクリと動いたのに気付いたのは恐らく彼を良く知るワタリだけだろう。
彼女は静かに瞳を閉じて意識を集中する。
「……(夜神さんの身体を私の力が覆う様にイメージして…)」
「すっすごい!?」
「綺麗ですねぇ…。」
の身体から炎の様に青い光が溢れ繋いだ手からその光が夜神の身体を包み込む。
揺らめいていた光が徐々に夜神の身体の中に消えていった。
瞳を開きふと一息つくとは彼を見上げてにっこりと微笑んだ。
「成功です!多少の疲労回復も出来ると思いますけど…無理しないで下さいね。」
「あぁ…ありがとう。」
それから彼女は相沢、松田、宇生田、模木と捜査メンバーに次々と力を施していった。
そして次にワタリの元へ向かう。
「ワタリさん…。」
「さんの話しは昔から竜崎に良く聞いていました。……こうして貴女に会えて本当に嬉しいですよ。」
「はい!私もです。Lにとって大切なワタリさんを絶対に守ります!」
の慈愛に満ちた穏やかな笑みを見てワタリは瞳を細める。
彼女がLに抱いている感情はLとは違うかもしれない。
だがそれでも二人は互いを思いあっている。
そう確信したワタリはにっこりと微笑んだ。
「えっと…後は…Lだね。」
ソファに座ったままを見ていたLに近寄る。
彼は彼女を見上げ徐に立ち上がった。
不思議そうに見上げてくる彼女をLは思いっきり抱き締めた。
小さな身体はすっぽりと彼の腕の中に納まってしまう。
「なっ!?ちょっ…えっL!」
「このままやって下さい。」
「でっでもッ。」
「……早く。」
「う〜〜……。」
は抱き締められたままおずおずと彼の腰に腕を回しぎゅっと抱き締めて意識を集中し始めた。
突然のLの行動に固まっていた捜査人は呆然と二人を見詰める。
光が消えてはLから離れようと動き出した。
「L―ッ…もう離してよ。」
「嫌です。」
「えぇッ!?」
「おっおぃ…竜崎…?」
「なんですか相沢さん。」
「いや…その…。」
「ちゃんと竜崎ってどんな関係なんですか?」
サラリと質問したのはやはり松田だった。
他のメンバーは驚いて彼を見つめる中Lはシレッと話した。
「勿論。彼女は私の恋人です。」
「えっLッ!!何時そんな…!」
「は私が好きでしょう?それなら相思相愛ですね。」
「だからその好きじゃないってばぁ!!」
二人のやり取りに捜査官達は目を点にする。
そんな中夜神だけが咳をして目線を外していた。
「それでは…今日も何時も通り夜神さん・北村さん宅の監視を続けます。」
「はい!分かりました!」
隣の部屋のモニターに移動する松田達を横目にLはの身体を少し離して顔を覗きこんだ。
「はワタリと一緒に買い物に行って来てください。」
「え?何か欲しいものでもあるの?」
「…いえ。貴女の買い物です。洋服等必要な物を買って来て下さい。」
「あっ…そっか…。」
「それと今後外出した際は私の事を竜崎と呼んで下さい。」
「うん。でも…ここでは?」
「此処では何時も通りLと呼んで下さい。」
「?でも…いいの?」
「はい。の話から今後注意すべきは夜神月と弥海砂ですから。」
「まぁ…そうだけど。」
「それには私の本名を知ってますね?」
Lは彼女の耳元で囁いた。
こくりと頷く彼女を見て彼は笑みを浮かべる。
「貴女に呼んで欲しいんです。会えなかった分沢山。」
彼の言葉には瞳を開いて驚いた後、クスリと笑った。
「うん。あっそれと…私出来ればアルバイトしたいんだけど…。」
「それは絶対に駄目です。」
「なっなんで?」
「お金は渡しますので心配要りません。」
「でもっ…それじゃあ。」
「…それに私の傍に居てくれるといいましたよね?」
腰に腕を巻き付けぎゅっとしてくる彼には俯いて微かに溜息をついた。
Lの自分に対する思いがある以上どうやら彼から離れられないらしい、と。
「分かった…分かったから…買い物行ってきます。」
「分かってもらえて嬉しいです。それでは…ワタリ。」
「はい。」
「をよろしくお願いします。」
近くに居たワタリに声を掛けるとLはようやくを離した。
ワタリの後に付いて部屋の入り口に向かう彼女の後をLはペタペタと付いてくる。
「それじゃあ行ってきます。」
「あぁ。気を付けて。」
「はい!」
彼女の声に気付いた夜神が資料から顔を上げて声を掛けた。
すると目の前に立ったLが不意に背を屈めて彼女の顔を覗きこんだ。
「L?」
「。いってらっしゃい。」
チュッと軽いリップ音を響かせてLの柔らかな唇がの頬から離れた。
頬を押さえて真っ赤になるに彼は笑う。
「ッ……いってきます…。」
ワタリは楽しそうに二人のやり取りを眺めていた。
後記
無茶な内容ですが、確実に助ける為です。
月やリュークが出てきたら彼女の能力の真価が発揮されます。
それにしても…Lは絶対過保護だと思う。
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