DEATH NOTE




































Four Story

「どうかしたんですか‥。」

「えっ?ううん…なんでもないよ。」


Lは何時もの通りを抱き締めたまま大きな瞳を向けた。
デスノートを読んでから数日が経ちLは20歳になっていた。
は複雑そうに自分を抱き締めながら苺ケーキを頬張る彼を見上げた。


「L…。」


Lが殺される。
私はどうすればいいんだろう。
助けたい。でも…私はこの世界の人間じゃない。

甘い物が好きで驚く程の甘党で。
成人したのに昔と変わらず子供みたいに甘えてきて。
凄く頭が良くて、これから色々な難事件を彼は解決して行くのだろう。


?…!?どっどうしたんですか?!」


Lの大きな掌に頬を撫でられてははっと瞳を開く。
何時しか彼女の瞳は涙に濡れていた。
Lは珍しく焦ったように眉根を寄せる。


「何所か痛いんですか??」


身体の向きを変えて向き合う様に座るとを膝に乗せて上目に見つめる。
はされるがままポロポロと涙を零した。


…?…ッ!」


彼女の小さな掌がLの頬を包む。
瞳と瞳が重なりLは思わず息を呑んだ。


「Lッ…死なないで…ッ。」

?なにを…ッ!!」


彼女の小さな言葉が聞こえた瞬間の身体が光の粒子となって消えた。


「なんで…何時もと…。」


普段なら八時になるまで彼女が消える事は無かった。
今はまだ六時。そして普段とは違う消え方。


…。」


その日以降。
Lの前に彼女が姿を表すことはなかった。
まるで元々存在していなかったかのように。


























四日後。

はベットの上で悩んでいた。
あの時、Lが20歳になって以降夢の中で彼に会うことが出来なくなっていた。


「…どうしてだろ…もう時間が無いのに…。」


計算通りなら今日の夜でもうLは25歳になるはずだ。
Lはもうキラ事件に関わっているのかもしれない。


「なんで行けなくなったんだろ…。」


あの日何時もと違った事。
Lが20歳になった事と私がLに死なないでと伝えた事。


「もしかして…」


今までは目が覚めれば自分の世界に戻って来ていた。
彼女の過程が正しければ。
次に彼の元に行けば。


「戻って来れない…?」


Lが死ぬのを知っていて、自分の生まれたこの世界で今まで通り暮らすか。
全てを捨てて、Lを助ける為に彼の元に行くか。


「………L。」


彼とは5年も会っていない事になる。
Lは自分の事を覚えていてくれているのか。


「でも…Lが私を忘れてても…。」


助けたい。
幼い頃からの彼を知っているから。
兄弟の居ない私にとってLは弟も同然の人だから。

はベットの上から飛び降り部屋を出て行った。


?どうしました。」

「セラフ…あの…ね。」


セラフはまだリビングに居た。
は彼の元まで行くと背の高い彼を見上げる。
どこか思い詰めた様子の彼女にセラフも只事ではないと感じたのかその表情は神妙だ。


「私。セラフの事大好きだよ!…私の事忘れないでね。」

?」


はぎゅっと彼に抱き付き、セラフの言葉を聞くよりも先にリビングを飛び出る。
次に向かったのはオラクルの部屋だった。


「オラクル‥?」

「あら…。」


オラクルの部屋に向かったは彼女の微笑を見て息を付いた。


「オラクル…私…。」

「行くのね…。彼の元に。」

「!!……はは…やっぱりオラクルは凄い預言者だね。」


はオラクルの前に座ると少し寂しげに笑った。
オラクルはをそっと抱き締める。


「もう、こっちには戻って来れないのよ?」

「うん。でも…彼を…Lを助けたい。だから私…行くね。」

「そう…決心は固いようね。」


オラクルの掌がの頭を撫でる。
どこか母親のような懐かしさを感じてじんわりと涙が浮かぶ。


「皆に手紙書いといたから‥此処に来たら渡しておいて。」

「えぇ。分かったわ。…。」

「ん?」

「貴女の人生を彼に賭けるのなら絶対に助けて幸せになりなさい。」

「オラクル…。」


は立ち上がりオラクルの瞳を見据えてにっこりと微笑んだ。


「いってきます!」






















後記

次からはデスノ世界オンリーです。
今回の主人公さんはトシマに行っていないので武器が無いです。
戦闘は…無いよな…?あれ?




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