DEATH NOTE




































Nineteen Story

「……そっそれじゃあ掛けるよ…。」

「はい。」


自室のソファに二人で座って神妙な面持ちで携帯を見つめる。
彼女の手に握られた携帯はの為にLが用意したものだ。
携帯自体に発信機やワンプッシュでLの携帯とパソコン、ワタリの携帯に繋がる等の機能がある。
何時もの様に膝を抱えた座り方で爪を噛みながらの持つメモ用紙を見つめる。


軽快なプッシュ音が響き、暫くしてコール音がし始めた。


「……。」

「………。」

『はい。夜神です。』

「あっあの…月さんですか?です。」

『あぁ!連絡…ありがとう。』

「はっはい…。なんだかカフェではごたごたしててすいません。」

『いや。気にしないで。それより流河はあの後大丈夫だった?』

「え?」

『えらく怒ってたようだからさ。流河は以外に嫉妬深いんだな。』


携帯に付けられた端末のお掛けで月の音声がLにもしっかり聞こえている。
聞こえない程度にぶつぶつと毒づくLを横目には苦笑した。


「誰のせいだと思ってるんでしょうね…。私のに馴れ馴れしい‥」(あくまで小声で)

「…えっと。メールアドレスも送っといたので…。」

『ん…今着たよ。返信するね。』

「あっはい。」


電話の向こうで月が苦笑するのが分かった。
声音は優しくて顔が見えない分審議しづらい。


『そんなに緊張しなくてもいいよ?それに僕等は同期なんだから敬語とか…さ?』

「あっ…うん。ごめんなさい。」

『はは。また出てる。』

「あぅ…。」


ガリッと。Lの爪を噛む音が大きくなった。
今や彼の瞳は半目になり携帯を睨んでいる。


『そうだ…明日の講義の後少し話せるかな?』

「あっでも…流河が一緒だけど。」

『構わないよ。奴はから一秒でも離れたくないみたいだしね。』

「………当然です。誰が月くんと二人っきりで会わせるもんですか。」(あくまで小声)

「うん…流河が一緒でいいなら…」

『はっきり言ってあそこまで独占欲が強いとも困らない?』

「え…?」


ピクリとLの肩が震えた。
は気付かずに月の言葉を考えていた。

確かに恋人同士になってからLの甘え癖というか引っ付き加減は半端無かった。
捜査本部でも学校でも彼の傍を離れようとすると必ず付いて来る。
他の人間と話しているとすぐにやってきて、「何を話していたんですか?」「あの人が好きなんですか?」
なんて質問をしてくる。

ただそれを彼女は困ったり嫌だと感じた事は無い。


「ん…困るって感じた事は無いよ。それに甘えてくる流河は可愛いし。」

『そっか…。(…は保護欲をそそるタイプが好みなのか?)』

…」(じ〜ん)

『君も相当流河が好き見たいだね。』

「えっ…うん。」


電話越しとはいえは頬を染めて頷いた。


『それなら尚更諦めきれ無いな。』

「え…。」

『僕は負けず嫌いなんだよ。だから…君の事…。』


プツン。(Lの堪忍袋が切れた音)


「ぁ…。」

「月くん。流河です。」

『……なんでお前がいるんだ?』

「それは勿論私とが一緒に生活しているからです。そろそろ時間も遅いので切りますよ。」

『なっおぃ!ちょっと待ては…』


ブツッ。ツーツー…


「はぁ。すっきりしました。」

「えっL…あんな事言ってよかったの?」

「問題ないでしょう。…私の目の前でを口説こうなんて…。」


彼女の携帯をテーブルに置くと、Lはすぐにを引き寄せて抱き締めた。
思いのほか痩躯に見える彼の身体は鍛えられていて逞しい。
猫背が丁度良くの小柄な身体をすっぽりと包み込んでしまう為彼女も彼に抱き締められるのが好きだ。
(とはいえ恥ずかしさが少し減った程度なので必然的に頬は染まるが)


「明日…月くんにテニスの試合を申し込みます。」

「あっ…それって。」

「親睦を兼ねて…は表向きですがね。」

「へぇ…楽しみ。」

の見た漫画では私が負けたんですよね。」

「え?うん。」

「私は負けず嫌いです。…明日は絶対に勝ちますから…応援して下さいね。」

「勿論だよ!」


此方と目線を合わせて微笑むLにはニッコリと笑うと自分からぎゅっと抱き締めた。






















後記

ふと月さんのメモの存在を思い出して書いて見ました。
なんだかすばらしく突っ込み所が満載ですが。
しかし…書いてて楽しいなぁL。




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