DEATH NOTE
Thirteen Story
夜神家の監視を始めて7日目。
事態はやはりが伝えた通りになった。
「やっぱりポテトチップスなんだ…。」
「が言った通りにカメラをセットしましたから角度的にも見えますね。」
七日目に新しいキラの殺人が行われる。
それを想定したはLに頼んで新しくカメラを付け直してもらった。
勿論彼が部屋に誰かが入ったか確認する事も考慮して。
彼女の思惑通りにポテトチップスの袋の中で月の手が動いていた。
「まさかそんな…月。」
「すごいですよ…本当にちゃんの言った通りです。」
「あんな紙切れで…。」
モニターを凝視する捜査メンバーも驚きを隠せない。
北村の方の監視はすでに止めている為捜査人は全員夜神家のモニターに注目していた。
モニターの一つを捜査して画面を拡大すると確かに袋の中にワイヤレスTVに映ったニュースと
デスノートの切れ端、ペンが見える。
つい先ほど放送されていた男が死んだとニュースで伝えられていた。
「これで夜神月がキラ、そして死神のノートの存在が確定しました。」
「L!此方から南空さんに連絡は出来ないの?」
「……夜神月がキラだと証明された、と伝えるのですか?」
「うん。そうすれば…。」
「無理です。彼女からの連絡が無い以上此方からコンタクトを取る事が出来ません。」
「そっか…。あっそれじゃあ私が南空さんの所に行って…。」
「駄目です。下手をすれば月君に見られる可能性があります。」
「う……。」
Lは隣に座ったの頭を撫でた。
それでも悲しげに俯く彼女を見て彼はふと思う。
…やはりは私と違う。
どうしても人間的な感情を切り捨てて考えてしまう自分と。
相手の事を思いやりどんな人間でも助けたいと願う人間的な彼女。
だからこそ自分は彼女が愛しくてたまらないのだろう。
Lは知らない。
彼女の存在はLにかなりの影響を与えている事に。
その変化を感じ取っているのは彼を良く知るワタリだろう。
また短い間でも彼と共に捜査をしていた捜査人達も彼女が現れる前のLとの大きな変化に気付いていた。
「あれそういえば……ちゃんの服…まさか竜崎の!?」
「へ?」
「着替えていませんでしたね。」
「ぁ…。」
は自分の格好を見て頬を染める。
彼女はまだLの服を着たままだった。
「わっ私ッ!」
「えぇ!?ちゃんまさか…本当に竜崎の…。」
驚きで目を見開く松田をLはじとりと睨んだ。
「彼女は私の恋人ですが、なにか?」
「え―!?マジで!?」
「おっおぃ松田!」
「恋愛は自由だろ。」
「いい加減にしないか。」
相沢や夜神の言葉に松田はすごすごとから離れた。
Lは逃げようとする彼女を背後から抱き締めて軽々と持ち上げると定位置いのソファに座った。
勿論膝の上に彼女を乗せて。
「L!私着替えてくる!」
「そのままで構いません。それでは今後について説明します。」
とLのやり取りにここ数日で大分慣れてしまったのか捜査人は彼等の元に集まった。
逃げようとする彼女の腰を抱き締めて背後から手を伸ばしてテーブルにあった飴を取る。
はそれを受け取り包装を取ってLの口元に運んだ。
ぱくりと口に含む彼を見上げながらは小さく溜息を付いた。
「……(この前の夜からLが積極的な気がする…)」
彼女の考えは強ち外れいていない。
一応自信を押さえていたLは彼女と"恋人"になった事により自分を押さえる事を止めている。
元々の独占良くの強さと異常なまでのへの執着がそのまま現れていた。
「夜神月がキラということは確定しました。…夜神さん彼は受験生ですよね?」
「あぁそうだが。……さんの話していた通り竜崎も受けるつもりなのか?」
「えぇ。そうです。まだ今はの言った通りに進んだほうが得策でしょう。」
「月さんは顔を見ただけじゃ殺せないから…だね。」
「その通りです。試験は1月17日でしたよね。…ワタリ。」
Lは近くに居たワタリに入学試験について話している。
は俯いて考えていたが勢い良く顔を上げるとLを見た。
「L!私も試験受けちゃ駄目かな?」
『!?』
彼女の言葉に捜査人は固まった。
「言うと思いました…。月くんに顔を見られてしまいます。」
「Lはいいの?」
「私は偽名を名乗りますから。」
「死神の力じゃ私は殺せない…と思うんだ。」
「それはあくまで過程の話でしょう。」
「そうだけど…Lだけ行かせるのはやだ…。」
しゅんとうな垂れる彼女の頭を見てLは微かに微笑む。
「それに少し確認したい事があるの。」
此方を見上げてくる彼女の大きな瞳を見つめLは暫し考える。
「……………。」
確かにを連れて行けば彼女の能力により新しい確証を得られるかもしれない。
だが…不特定多数の人間が居る所に彼女を連れて行けば。
彼女は目立つ。特に男に…そんな輩の視線が彼女に向けられると考えるだけで不愉快になる。
特に…一番心配なのは夜神月。
「L!お願い!」
「……いいでしょう。ただし。講義等は私と一緒に受ける事。それと私から離れない事‥守れますか?」
「はい!」
「でも…竜崎はともかくさんは大丈夫なのか?」
「センター初日まであまり時間が無いですよ。」
Lの言葉に他の捜査メンバーの声が掛かる。
確かに彼女の学歴は平均的だ。元々美大生でもある。
「は此方で手配した美術の特待生として入学させるので問題ありません。」
「そうなの?」
「貴女が元々美大生という事は忘れてませんよ。」
「うん。ありがとう!」
後記
地味に話が進んでおります。
次は大学編ですか。でもかなり曖昧なんですよね。
本誌しかみてないしなぁ…。単行本買おうかな。
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