□ 第八話 □
















「失礼します。」


盆を持ったは静かに襖を開けた。


「(う…)」


妙に冷ややかな空気に彼女の表情は強張る。
意を決し室内に入ると皆に向かって微笑んだ。


「お茶持ってきました。」


静々と上座に座る元親の元へ向かいまず彼の前にお茶と茶菓子を置く。
それから順当に元就、政宗と巡る。


。こっち来い。」

「はっはぃ!」


茶菓子を置き立ち上がった時不意に元親に名を呼ばれ彼の隣に座った。
間を置いてこの中で一番冷静であろう元就が口を開いた。


「まず…は伊達の事を知っているのか?」

「ぁ…えっと…ですね…可笑しな話なんですが…。」


行き成り核心に触れる事に彼女は動揺する。
元親は腕を組んだまま苛立ったように視線を平然としている政宗に向けた。


「夢の中で…伊達さんらしき人に逢ったんです‥。」

「夢の中で…?」

「はぃ…。本当夢だと思ったんですけど…。」

「では伊達もその夢を見ていたのか?」

「あぁそうだ。っと…噂の女も目的だがここに来た一番の理由は別だ。」

「??」


政宗はにやりと笑み今だ不満気な元親を見据えた。


「四国・中国と同盟を結びたい。」

「!?」

「…………。」

「その為に従者も付けずに訪れたのか‥。」

「今織田が勢力を広めているのは知ってるだろう?あいつをのさばらせておけば確実にこの国は腐っちまう。」


政宗の意外な申し出には驚きを隠せない。
元親は眉根を寄せたまま思案している様子。


「……(もし伊達さんと同盟を組んだら…戦をせずにすむ‥?)」

「……そういえばおぬしたちは徳川と戦をしあの戦国最強本田忠勝を負かしたと聞いたが。」

「あぁ。まぁな…。家康も自身の友がどんな男かよぉくわかったようだぜ。」

「では徳川も下ったと言う話は本当なのか‥。」

「元親さん…?」

「…………また急な話だな。」

「こっちにも事情が合ってな。織田の猛威があるからな…。」

「‥少し考えさせてくれ。」


一言返すと元親はすっくと立ち上がった。
襖へと大股に歩きながら不意に振り返る。


。…話がある。」

「あっはぃ!」


元親に言われは慌てて彼の元に向かおうと立ち上がったその時、
不意に通り過ぎようとした彼女を政宗の腕が捉えた。


「わっ!?」

「Hanyまた後で話そうぜ?」

「ッ…あっはぃ。」


耳元で微かに囁かれた言葉には一瞬驚くもののすぐに開放されそのまま元親の元へ急いだ。
襖が閉まる音と共に部屋に静けさが戻る。
















「俺の部屋に来い。」

「きゃっ。もっ元親さん?」


部屋を出た途端元親は彼女の細い腕を掴んで彼の自室に歩みを速めた。
は半ば引きずられるように連れられて行った。























後記

そろそろBASARA2と絡ませたい所…。
登場人物一気に増えるんだよなぁ;
どうしましょうかねぇ。




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