間小話2







□ 間小話2 □
















「いただきます!」


うわ―ッおいしそう!


「おっおいしいッッ!!」


程よい味付け。
柔らかな食感。
すごい!こんなに完璧な焼き魚なんて滅多に無いよ!!


「元親さんッ!すごいおいしいです!!」

「なんだそんなに美味いかよ?」

「はい!!」

「元親。五月蝿い。」

「んだよ。お前は…相変わらず態度がでけぇな。」

…魚を食べたことがないのか?」

「あっ。私の所でも食べますけど…でもこんなにおいしい焼き魚食べたこと無いです。」

「ほぉ。」


次の料理に視線を惑わせるに元就は興味深そうに見つめる。


「なぁ。お前の居た時代ってのはどんな所なんだ?」

「えっとですね。私達みたいな一般市民は戦とか経験したことが無いです。」

「戦が…ない?」

「はい。知識として残っています。他の国では…まだ戦争があってる所もありますけど…。」

「へぇ…つまり異国だよな?」

「えぇ。今は国際交流も頻繁に行われてますし、日本は民主主義なのでみんな平等なんです。」

「それでは治める者は居らぬのか?」

「いますけど、この世界のように絶対君主というわけではありません。それに恋愛や結婚も自由です。」

「そりゃすげぇな。」

「ふむ…」

「それと!元親さん私は子供じゃないです!」

「あぁ?」

「私これでも成人してます!」

「は?」

「……15・6かと思っていた。」

「うわ。元就さんひどい!」


は箸を持ったまま抗議する。


元就さんさり気なくひどい…
元親さん。口!口開いたまんまですよ!そんなに驚くことですか!!失礼な!


「どうせ童顔ですよ。ちびですよ。幼児体系ですよ!」

「そこまで言ってねぇだろ…。にしても俺とあんまり歳かわらねぇとは…驚きだな。」

「へ?元親さんって何歳なんですか?」

「俺は22だ。」

「えぇ!?」


もっと上なのかと思った…。
この時代の人って年齢不詳過ぎる…。


「ちっ因みに元就さんは?」

「我はそれより上だ。」

「!?」

「誰が"それ"だってこのオクラ野郎。」

「我に対してそのような暴言…許さん…。」


箸を置いてゆらりと立ち上がる元就さん。
うわっ怒ってる怒ってるよ!!綺麗な人が怒ると怖いよ!!








………10分後










「お二人ともせっかくの料理冷めちゃいますよ…」

「いってぇ…ちっ。」

「…………愚か者が。」


左頬を朱に染めて口元を擦る元親さん。
服が少し乱れている元就さん。
……一体何してたんですか。


暫し数分部屋を出ていた二人が戻ってくるとはすっかり食事を取り終わっていた。


「あぁ。それよりよ。」

「はい?」


すっかり冷えてしまった朝食に箸を付けつつを見据える。


「今度城下行ってみるか?行った事ねぇだろ?」

「城下ですか?」

「あぁ。」

「行ってもいいんですか?」

「おぅ。」

「行きたいです!!」


この時代の城下町なんて見てみたいよねやっぱり!!


「そっか。んじゃ今度行こうな。」

「はい!」


子供のように笑う彼にも微笑んだ。


「あっ…元親さんご飯粒付いてます…。」

「ん?どこだ?」

「そっちじゃなくて…あー…もぅ。」


見た目に反して結構子供っぽいよね元親さん。
ぱっと見怖そうだけど。親切だし優しいし。


見当違いの所を擦る彼に苦笑するとすぃっとの白い指が彼の頬に触れる。


「はい。取れましたよ。……元親さんの方が子供みたいですよ?」

「なっ!」

「確かに…子供だな。」


ひょいっと取った米粒を口に運ぶと彼を見てクスクス笑う。
元親はの言葉に頬を染めた。


「うるせぇぞこのオクラがっ!!」

「……そなたには記憶力が無いのか?あぁ…中身が筋肉だったか。すまぬ。」

「んだとてめぇ!!」

「なんだ姫若子?」

「っ!?それを言うなぁあああ!!!」

「姫若子?」

「お前も気にすんじゃねぇ!!」

「さっさと食事を済ませぬか。」

「てっめ…ぶっ飛ばす!」


殴りかかる元親をすぃっと避けて元就は部屋の入り口に佇む。
怒りか恥辱かで耳まで真っ赤に染めた元親はまさしく鬼様な形相で元就を睨みつける。


「姫若子って‥元親さんのことですか?」

っ!!」

「あぁ…あとで詳しく教えてやろう。」

「オクラー!!!」


ドタバタと部屋を飛び出していく二人には小首を傾げた。


「…………なんだかんだで仲がいいよねあの二人…。」










因みに元就さんに"姫若子"のこと教えてもらった。
元親さん今と違って小さい頃はすんごく華奢で女の子みたいだったらしくて。
女の子だったら戦に行かなくてもいいって言って女物の着物とか着てたらしい…。
それで姫若子…あぁでも元親さん可愛いもんね反応が。

それにしても楽しみだなぁ…城下。




























後記

うちの元就さんは毒舌ですな。絶対チカちゃん口では適わないそう。
チカちゃんの衣装のあの腰布…あれ女物っぽい柄ですよね。
名残なんだろうか…んでもってあの防御力無視した上半身裸の意味は…?
四国って暑いのかな。




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