MATRIX-1
THE DREAM AND ACTUAL GORGE
夢か現実か分から無くなる時がありませんか?
もし、今この時が現実ではなかったら…。
それでも私には如何することも出来ない。
ただ、悶々と日々を過ごして、夢か現実か分らないまま。
その狭間を彷徨って…
どんな形でもいいから知りたい。
本当の
”リアル”
を……
「こら!何ぼ〜っとしてんのよ!」
「…………は?」
「だぁ〜!!!もう!人の話聞いてた?」
「いや、全然。」
「がぁ―――!!!!?」
いけない、また考えごとしてたのかなぁ…。
何か頭がぼ〜っとする、霞がかかったような…変な感じ。
「聞いとんのかぁ!!?」
「あ。ごめん。」
友人に首を締め上げられてようやく彼女を見据えた。
うわ〜…目ぇ怖っ。
「次の授業移動だよ!」
「あ…次なんだっけ?」
「庭園で模写だよ。…どうしたのさあんた。最近ずっとぼ〜っとしてるじゃない。」
「うん…あのさ…。」
今話しているこの時がもし現実じゃなくて夢だったら?
「何よ?」
「ううん。なんでもない…。」
「あ〜……進まない…。」
私は自分の荷物からノートパソコンを取り出し、電源を挿れる。
「え〜っと……色番が…」
今描いているのは目の前の木。
そう、木。
何でもいいからデッサンして仕上げて提出とのことなので、簡単なものにした。
木陰が気に入ったというのもあるけどね。
「グリーン系だから…8889と…。」
PCに映し出されているのは色の見本。
色を塗るさいにわざわざ調べるのもあれだし、”イマ”の色を大切にしたいから。
「えっ…?」
画面が急にブラックアウトした。
そして次々と並んでいく英文。
「何此れ?悪戯?」
【 Does it want to know the truth? 】
「真実?…」
は恐る恐るキーを叩く。
簡単な返事を。
【 Yes 】
するとまた、スラスラと英文が並んでいく。
そこまで英語は得意でないが、これでも学生。
簡単な文ならば何とかなる。
【 Come to the place which green water flows through if wanting to know. 】
「…緑の水?」
【 The truth is what? 】
彼女が文を打ち込むとすぐに返事が返ってきた。
【 Come if wanting to know. 】
「……えぇ‥―……あっ。」
彼女が苦笑しているとブンッと鈍い音を立てて画面が正常になる。
「今のはなに…まさか白昼夢?いやでも…。」
PCの電源を落とし木に背を預け考える。
「緑の水の流れる場所…これってなぞなぞだよねぇ…。」
知りたければ来い…かぁ…。
う〜んと唸った後ふと低い目線の先に何か黒い物を眼に止める。
「ん?」
良く見るとそれは上等な革靴だ。
友人もしくは先生かとも考えたが、彼らがこんな上品な靴を履いているわけが無い。
徐々に視線を上へ上げていく。
「ミス・かね?」
「ぇ…?」
其処に立っていたのは一人の男だった。上等な黒のスーツにネクタイをしっかりと締め。
その双眸は濃い色のサングラスに遮られ分らないが、日本人で無いのは見て取れる。
行き成り外人に名を、しかも日本語で呼ばれ大きな瞳をさらに大きく見開いて彼を見上げる。
「あっはい。は私ですけど…。」
「ようやく見つけた‥。」
「えっと?」
「私の名はスミスと言う。」
「はぁ‥スミスさん?あの…それでご用件は?」
「君を探していた。」
「??」
「私と共に来てもらいたい。」
「えっと…」
もしかしてさっきの”文章”の人かな…?でもあれは来るように指定してたし…?
不意に男‥スミスは彼女へ手を差し伸べる。
戸惑いながらもその手を取り立ち上がると予想以上に彼が長身である事が分る。
「あっのスミスさん。私はまだ授業の途中で。」
「其れよりも大事な事だ。真実を知りたいのだろう?」
「ぇ…それって?」
その時、物凄い勢いで空から飛来する黒い物体。
は驚いたようにそれを見つめる。
スミスは僅かに顔を顰め、掴んでいる彼女を自身へ引き寄せる。
「…彼女を渡してもらおう。」
「全く無粋だな。アンダーソン君。」
空から降ってきた物体は全身黒で統一され、スミス同様サングラスをかけた長身の男だった。
状況がわからないはスミスとその男を交互に見やっている。
「お前はもうエージェントではないんだろう?何故彼女を…。」
「それは愚問だな。ミス・は”私”にとって重要なのだよ。」
「なんだと?何を考えている?」
「そんなこと君には関係ない。」
というか…さっきの人まさか…飛んで来た?
嘘!!?
驚いた顔で新たにやってきた男を見つめていると彼と視線があった。
「。君は真実を知りたいと言った。」
「あっ…もしかしてさっきの…?」
「そう。本当は君に来てもらいたかったんだけど…とんだ邪魔が入った。」
「失礼だな君は…。」
「彼女を離せ。」
「駄目だな。」
の手を掴んでいるスミスの力が少し強くなった。
だが、何となく彼が自分に危害を加える気が無いとは感じていた。
何故、そんな事を考えてしまうのか不思議に思いながら…。
後記
かっ書いてしまった…マト夢…
好きなツインズと絡ませたいけど…どうしよう;;
本とはメロ夫妻の娘設定も考えてたんですけどね。
それはまた別の連載にしようかとv
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