DEATH NOTE




































TWENTY TWO

私はLと月さんの会話を聞きながら考えていた。
南空さんの出現状況等から考えて原作と映画のストーリーが混ざっているのは確実。
それなら原作では倒れた夜神さんはやはりこの後倒れてしまうのだろうか?
Lはテストと証した"観察"をしている。
……カメラの映像等があるので後は物的証拠を得るだけだけど。


「………。」

。」

「へ?あっなに流河。」

「食べませんか?」

「ぁ…いっ何時頼んだの…。」


不意に服の袖を引かれてLを見ると彼の前にはイチゴショートにザッハトルテ、プリンアラモード。
彼はショートケーキを食べながら他の物を私に薦めているようだ。


「じゃあ…一口貰うね。」

「はい。……あーんしてください。」

「え!?じっ自分で食べれるよ。」

「いいえ。あーんです。」


ザッハトルテを一口貰おうとすると不意にLのスプーンが此方に向いた。
どうやら彼は朝食の時何時も私にさせているようにあーんで食べさせたいらしい。
前の席には月さんが居る為とても恥ずかしい…。


「早く食べないと口移しであげますよ?」

「!?…あっあーん…。」

「はいどうぞ。」


渋々口を開くとほろ苦いチョコレートが広がった。
どうやら二人の話しは一段落したようだ。
その時不意にLの携帯が鳴る。


「失礼。…あぁ。そうか‥分かった。」


どうやらワタリさんからの電話みたいだけど。
夜神さんが倒れたというような緊張感がない。


そろそろ戻りましょう。月くんありがとうございました。とても参考になりました。」

「あぁ…それより捜査協力の事だが…。」

「はい。後日連絡します。」

「分かった。あっは明日学校来るの?」

「えっ…えっと…。」

「明日は行けませんよ。」

「だそうです。」

「そっか。分かった。」


何時の間にかプリンもザッハトルテも食べ上げている。
早業だ…。立ち上がりながら彼は私の手を取った。


「それじゃあ月さん。また学校で。」

「あぁ。気を付けて。」


月さんに声を掛けてLと共に店を出た。
店の前には何時も通りワタリさんの運転するベンツが待っていた。
扉を開いてくれているワタリさんに頭を下げて二人で後部座席に乗り込んだ。


。……今後の捜査方針について纏めましょう。」

「うん。あっ…部屋で話しても言いかな?」

「はい。そういえば…先程上の空だったみたいですが…何か悩み事ですか?」

「え?あっ…ううん。悩みとかじゃないよ。部屋で話すね。」

「そうですか。分かりました。」


大学の事等を話しながら私達はホテルに着いた。


捜査本部に着くと松田さんが声を掛けてきた。


「あっちゃん。竜崎お帰りなさい!」

「ただいま戻りました。お疲れ様です。」

「いえいえ。どうでした月くんは。」

「…あぁそうだ。みなさんにお話しておく事があります。」

「ちょっと竜崎無視しないで下さいよぉ。」


月さんの事を聞いてくる松田さんを無視してLは私の手を引いて部屋の中心に向かった。
室内には夜神さん、模木さん、宇生田さん、南空さんがいた。
相沢さんは警察署の方に居るようだ。


「本部を移動します。」

「竜崎…それはどういうことだ?」

「現在は各ホテルを移動しながら捜査をしていますが。限界だと私は感じました。」


どうやらLは事前に自前で捜査用のビルを建築していたらしい。


「あぁ。ちゃんが言ってた奴ですね。すごいなぁ…。」

「まぁ一箇所に留まる方が捜査はやりやすいだろう。」

「それじゃあ私達は資料の整理をしますね。」


私の話しのせいか大体の事を理解していた捜査人達は各々の荷物や捜査資料等の整理を始めた。


。部屋に戻りましょう。明日には此処を出ます。」

「あっうん。」


私とLは彼の私室に向かった。

二人でソファに座り一息つくと、待ち切れ無いとばかりにLがキラキラとした瞳を此方に向けた。


「始めてからキスしてくれましたね。口に。」

「は?!あっそっそれは…。」


捜査に関することかと身構えていた私に急な不意打ち。というか変化球。
思わず狼狽してしまう。あの時の事を思い出して頬が熱くなる。
プニっと私の頬を指先で押しながら小首を傾げて此方を窺うL。(そんな動作も可愛い)


「すごく嬉しかったです。」

「そっそっか…で…捜査についてだけど。」

「そうでした。……確認したい事があると言っていましたね。」


ごたごたしていて報告して居なかった事を思い出した。


「うん。私はリューク…死神が見えるかどうか確認したかったの。」

「見えましたか?」

「見えた。デスノートに触れないと見えないはずなんだけど…やっぱりイレギュラーだからかな。」

「此方には死神は見えない…いえ。実際にノートに触れなければ見えないはずですよね。」

「うん。因みに声もちゃんと聞こえたよ。」

「それではあちらの動向を窺いやすいですね。死神の性格から此方が見えていると気付いても何も言わないでしょう。」

「そうだね。リュークは楽しんでるから。」

「では第二のキラが出現した際にも死神が見えるはずです。」

「……その事についてなんだけど。」


Lの黒い瞳を見据え私は今まで考えていた事を言おうとした。


「原作と映画の内容が混ざっている…。」

「!…気付いてたの?」

「はい。原作通りなら今頃夜神さんは入院しているはずです。」

「そう!南空さんを助けた事によって変わったのかと思ったけど…南空さんの出現と月さんのトリックのタイミングがずれてるんだ。」

に最初に話してもらった各ストーリーの要所が繋がっているといった所でしょうか。」

「……それじゃあ今後は月さんを捜査本部に呼ぶの?」

「はい。そのつもりです。それと先日月くんの部屋に監視カメラと盗聴器を仕掛けてきました。」


月さんが部屋に誰かが侵入したか調べている事は分かっていた。
ドアノブ、シャープペン等を仕掛けは理解しているので不自然にならない様にカメラ等を設置したらしい。
これは原作にも映画にもないことだった。


「第二のキラ…弥海砂との第一の接触は彼の部屋ですから。証拠として残します。」

「わぁ…流石だね。」

「月くんが部屋の侵入に気付かなければ死神を使って探させることもありません。」


Lは親指を咥えながら上目に思案している。


「今後は第二のキラと第三のキラが現れる過程によって臨機応変に対応して行きましょう。」

「そうだね…。」


今後の捜査方針は中々確定しない。
原作か映画か…微妙なずれの為だろう。


















後記

今後の捜査方針をLと相談〜。
次からは捜査本部移動と月さん参加ですね。
誰視点にするか悩みます。




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