レモンの飴玉
レモンの飴玉後編
「きっとまだダンブルドア先生達が大広間にいるはず!!って…ヒィィイイ!?」
「!!何処へ行こうというのだ!」
「だって先生が追っかけてくるからでしょ―!?」
「お前が逃げるからだろう!」
「やだぁあああ!!」
スネイプが走って女生徒を追いかける。
ある種異様な光景に廊下を歩くほかの生徒達は驚いた顔で二人を見ていた。
バアアァアアン!!
大広間の扉を凄まじい音で開けて中へ駆け込んでくる生徒。
彼女に広間中にいた先生及び生徒達は一気に視線を集中させる。
「どうしたのですか姫―?」
「顔色が悪いですぞ―?」
グリフィンドール寮から赤毛の双子に話しかけられてもそれを無視して一直線にダンブルドア校長の前まで駆けて行く。
「どうしたのですミス・!」
何時ものとは確実に違う鬼気迫る表情に寮監であるマクゴナガルは動揺する。
ダンブルドアは水色の瞳をに向け優しく問いかける。
「どうかしたのかね?」
「せっ先生が!スネイプ先生が変になりました!」
「なんですって?」
「先生が可笑しいんです!」
「ふむ…それはどうゆうことじゃね?」
「さっさっき先生が送られてきた飴を食べたんです。そしたら…可笑しくなっちゃって‥。」
「可笑しくなったとはどうゆうことですか?セブルスは?」
「そっそれが…。」
バァァァアアンッ!!!
「きっ来たッ!?」
先程よりも大きな音を立てて開かれた扉から問題のスネイプがかつかつと規則的な靴音で足早に入ってきた。
の顔は先程より明らかに青冷めマクゴナガルの後ろへ隠れている。
を見つけたスネイプはふっと柔らかな笑みを浮かべる。
『!!!??』
口角を上げ笑みを浮かべるスネイプに今だかつて無い静寂が大広間を包んだ。
その後ろからハリー、ハーマイオニー、ロンが荒い息をつきながら駆け込んでくる。
「さぁ。。来なさい。」
「やっやです!」
「我侭を言うな。」
「ひぃ!?」
せっセブルスがぁああ!?怖いっ!!
必死にマクゴナガルのローブを掴み身を隠そうとするにスネイプはずいっと近寄る。
困惑していたマクゴナガルも慌ててスネイプに問いかける。
「セブルス!これはどうゆう事ですか?貴方はミス・に何をしたのです!」
「貴方には全く関係の無い事ですな。口を挟まないで貰いたい。」
「私はこの子の寮監です。こんなにも怯えて…。」
「怯えて?そうなのか?」
「ぅ…」
ひょこっと顔だけ出したにスネイプは悲しげな顔を向ける。
「いっ何時もの先生じゃないです。」
「我輩は何時も通りだ。何も問題ない。」
「セブルス!!」
「邪魔だ。」
スネイプは徐に杖を取り出すと、マクゴナガルへ向けた。
その途端、マクゴナガルの身体が勢い良く横へ飛ばされる。
「っ!!?やぁ!」
障害物がなくなり、に近づいたスネイプは彼女軽々と抱えあげる。
「先生!!離して下さいッ!」
「駄目だ。」
問答無用で連れ去ろうとするスネイプに呆然と見ていた他の先生達が駆け寄ってくる。
「一体どうゆうことなのっ!!」
「あの陰険野郎!!」
「どうなってんだよ!!行き成りにあんなことしてっ!」
「姫如何したのです?」
「何があったのですか姫!」
先生方に引きずられて行ったスネイプから何とか開放され、グリフィンドールのテーブルに着くと一斉に話しかけられた。
ハーマイオニーは髪を逆立て。
ハリーの緑色の瞳はぎらぎらとしている。
ロンはだんっとテーブルを叩き。
双子は気遣わしげにを囲む。
「…先生が飴を食べたの。」
「「「「「飴?」」」」」
「うん。薬品の整理してる時に‥梟が持ってきたの。」
「飴を食べたってそれだけ?」
「うん…ねぇ…フレッド‥ジョージ…貴方達…。」
「アハハ…まさか食べるとはなぁ相棒。」
「全くだ。何時も通り捨てるだろうと思ったのに…。」
二人の言葉にハーマイオニーは眉を吊り上げる。
「貴方達一体なにをしたのよ!!!」
「いや…あれさぁ新しい悪戯グッツ作ってた時に偶々出来たんだよ。」
「一種の愛の妙薬‥実験したんだけど好意を持ってる相手にしか効かないんだ。」
「思いが強ければ強いほど顕著にでるんだ。」
「だから…もしスネイプが食べたら…どうなるかなぁって。」
「まさか姫が同じ部屋にいるなんて…。」
ハーマイオニーとロンが凄まじい形相で二人を睨みつける。
その時ふとハリーが顔を上げ乾いた声で呟いた。
「ちょっと待ってよ…好意を持ってる相手にしか効かないんでしょ?」
「「あぁ。」」
「だとしたら…。」
「!!」
「へ?」
急に声を掛けられ先ほど先生たちの出て行ったドアを見ると此方へ歩いてくる黒い人物。
後ろからマクゴナガルが必死に叫んでいる。
「早く寮へ行きなさい!!」
「はっはいぃい!!!」
此方へやってくるスネイプを見て慌てて立ち上がる。
彼女を守る為に立ち上がるハリー達。
だが、スネイプのほうが早かった。
「きゃあ!?」
ひょいと抱え上げそのまま回りを無視して歩き出す。
「せっ先生!!私寮に帰りますから降ろして下さい!!」
「寮に帰る必要は無い。」
「何処に行くんですか!」
「我輩の自室だ。」
「っ!?」
ハリー達の攻撃も難なく避け、スネイプは意気揚々と自室へ戻ってきた。
しっかりと部屋に鍵を閉めようやくを下へ降ろす。
「うぅ…なんでこんな事に。」
さっさと自分のローブを脱ぎ紅茶を入れ始めるスネイプには半ば諦め黒い革張りのソファーに座る。
「先生…自分でどっか変だって分かりません?(仮にも魔法薬学の教師だし)」
「…二人の時は名前で呼べ。」
「セブルス。」
「あぁ。……いたって正常だ。なんら変わりない。」
が名前を呼んだだけで笑みを浮かべるスネイプには頭を抱える。
「駄目だ…。」
こんなのセブルスじゃないっ…眉間の皺が薄い!(オィ)
笑顔が眩しい!!
「ミルクは?」
「…いる。」
スネイプはの要望通りに紅茶を淹れている。
差し出された紅茶を受け取り口をつける。
スネイプはの隣に座る。
何時もより近いその距離には紅茶を持ったままず狭いソファの上をずるずると横へ逃げる。
「…何故離れる?」
「いや‥別に。」
彼女の反応にスネイプは溜息を付くと徐に立ち上がり彼女を自分の膝の上に乗せる。
行き成りの事に驚いたは慌てて紅茶を支える。
「セブルスっ!!」
「何だ?」
「うっ…」
自分の上から笑みを向けられ思わず口篭るにスネイプは笑みを浮かべたまま紅茶を飲む。
「あのさ‥寮に帰りたいんだけど…。」
「…駄目だ。」
「でも生徒が先生の部屋に泊まるのはいけないんじゃないの?」
「ダンブルドアに許可は取ってある。それに我輩はお前の保護者だ。」
「…(校長…何考えてんですか‥)」
「紅茶を飲んだら寝るぞ。」
「う"〜〜分かったよぉ…。あ。そしたら先にシャワー借りるよ?」
「一緒に入るか?」
「セブルス!!?」
「ふっ‥冗談だ。」
嘘だ…顔が笑ってる…。
普通ならば数日で効果がなくなるはずが一週間もそのままだった。
双子はマクゴナガルに散々説教された挙句二週間の処罰を言い渡され。
は薬の効果が切れるまで四六時中セブルスと寝食を共にする羽目になったとか。
「…正気になったら一体どうゆう反応するんだろう…。」
「どうした?」
「なんでもない…。」
後記
何だか他のキャラクターが多すぎて(笑)
映画見てたんですけど…スネイプ先生が可愛いっ!!
そしてかっこいいですvあぁ連載書きたい・・
自粛します。そしてお題と関係ないような‥
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