China
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「如何したのトリニティ?」
「ふふ。今日はにプレゼントを持ってきたのよ。」
「……でも前にも貰ったよ?」
「私の手作りなんだから気にしないの。さぁ着てみて頂戴。」
その日。預言者の家を訪ねてきたトリニティはニコニコと彼女に大きな袋を差し出した。
は渋々それを受け取ると自室へと入って行った。
「……また何か持ってきたんですか?」
「あら。セラフ…ふふふ。今回のは特にうまく出来たのよ。」
「如何にかならないんですか…彼女。」
「俺に言われても…。」
眉間に皺を寄せたセラフに睨まれつつ彼女のお供がてらに付いて来ていたネオは苦笑する。
と、その時の部屋から叫び声が響いた。
「なぁあああ!?」
「っ!?」
「あぁ。大丈夫よ。私が行くわ。」
彼女の元へ駆け出そうとしたセラフを制しトリニティは何処か余裕で彼女の部屋へと向かった。
「どうしたの?」
「なっなっ…なにこれ……トリニティ……。」
「んふふ。」
彼女の手に握られている洋服。
それはよくチャイナタウン等で売られている品物に良く似ていた。
「なにってチャイナ服よ?」
「………なぜに?」
は疑問そうに眉を顰めトリニティを見上げる。
彼女はに近寄ると、彼女の手の中の洋服を取る。
「さぁ着替えましょう!」
「………はぁ…。」
トリニティの満面の笑みに彼女は脱力した。
「あぁ!やっぱり良く似合うわ〜」
「っ…はっ恥ずかしぃ…。」
彼女が身に付けているチャイナ服は鮮やかな朱色に龍や鳳凰の刺繍が細かく施されている。
ただ普通のチャイナ服と違うのは袖がノースリブになっていて首元にはチャイナボタンで留められ、
細い鎖骨が見える作りになっている。
深いスリットの間は飾りボタンで繋がれている。
ミニ丈な為彼女のスラリとした生肢と白い太腿が覗く。
「さぁ髪の毛も綺麗に整えましょうね!今回はメイクもしちゃうわよ。」
「こういう服はもちょっと…ボンキュッな人の方が映えると思う‥。」
「何言ってるのよ!ミニ丈だからにはぴったりよ。」
「……足がスースーする。」
は大きな鏡に映し出された自分の姿に深く溜息を付く。
トリニティに肩を掴まれメイクを施される。
普段は軽く結っている肩程の髪を解き後れ毛を残し緩く結い上げる。
高い位置で結び逆毛を立てる。白い項が目立ちそれだけでも大分イメージが変わる。
メイクはチャイナ服に合わせて赤いアイシャドーを引きピンク色のグロスを塗る。
「うん。完璧ね。」
「あはは…ありがとう。」
「どういたしまして。あぁそう。チャイナ風のパジャマとか色々作ってみたからそれも是非着てみてね。」
「うん。ありがとう!」
彼女は割り切ったのかトリニティに何時もの花のような微笑を向ける。
トリニティはの腕を取り居間へ向かう。
「出来たわよ!見てちょうだい!」
「ん??」
「大丈夫ですか?」
「あらあら…。」
ネオは扉の隅から出てこないにハテナ顔になり。
セラフは心配げに問いかけ。
オラクルは呆れたように首を振った。
「さぁ。早くいらっしゃい。」
「ぅっうん…‥。」
トリニティに促されはそっと居間へ入った。
「これは…また…すごいな。」
「……………?」
「あら可愛いじゃない。」
各々の反応をは頬を染め聞いていた。
ネオは驚いたようにサングラスを取り彼女を見。
セラフはサングラス越しの瞳を大きく見開いき口元を押さえた。
オラクルは優しく何時も通り微笑んでいる。
はセラフの元に行くと彼を見上げニッコリと微笑んだ。
「どうかな?」
「ぁっえぇ…その…良く…似合って‥います。」
「?セラフ如何したの?顔が赤いよ?」
「いっいえ…。」
セラフは彼女の姿を直視できないのか頬を染め有らぬ方を見ている。
それが気になるは何故彼が此方を向かないのかハテナ顔で考えているようだ。
それから暫くしてネオとトリニティは帰って行った。
はオラクルと共にカップやソーサーを片付けながら彼女に問う。
「ねぇオラクル…この服やっぱり似合わないのかなぁ…。」
「どうして?」
「だって……。」
はカップを持ったまま俯いてしまう。
オラクルは苦笑すると彼女の肩をそっと抱いてあげた。
「セラフのことね?」
「…うん……。」
「彼は感情表現が苦手なだけよ。そう…直接彼に聞いてみたらいいわ。」
「そう…かなぁ。」
「えぇ。さぁ此処はいいから行きなさい。」
「うん!」
オラクルは片付けをしながら微笑んだ。
「全く手の掛かる子達ね。」
は早速キッチンを抜けセラフの部屋へと向かった。
ドアを軽くノックし声を掛ける。
「セラフ〜?居る?」
「?」
扉を開けたセラフは驚いたような顔をした。
「ちょっといい?」
「えっえぇ…。」
は彼の部屋に入ると小さな椅子に座った。
セラフは彼女の服装に戸惑いつつもベットへと腰掛ける。
「如何したんですか?」
「あのね…この服やっぱり似合わないかな?」
「え?」
はやはり言い出すのが恥ずかしいのか下を向いたままだ。
彼女の言葉にセラフは彼女を良く見る。
「だって…なんかセラフさっきおかしかったし…。」
「それは…。」
「それは?」
「単に見慣れていなかったので…」
「じゃあ似合う?」
「えぇ。似合います。とても綺麗です。」
「本当!?」
「はい。」
「やった!」
「っ!?」
はセラフの言葉がよほど嬉しかったのか徐に立ち上がると彼にぎゅっと抱きつく。
セラフは驚きつつも彼女の背に腕を回し抱き返した。
後記
チャイナ服。セラフ…。
なれてなくて赤面!が書きたかったんだけど…。
なんかずるずると;;
日常小話ってことで::
しかし文才ないなぁ(泣)
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