WAKES UP WITH HER ABILITY.






WAKES UP WITH HER ABILITY.

































?如何かしたんですか?」

「セラフ……。」

「それは………。」


彼女の掌には小さな小鳥。
力無く横たわり震えている。
の瞳は涙に濡れ今にも涙が零れ落ちそうだ。
セラフはそっと彼女に近寄ると小鳥を見た。


「如何したんです?」

「外に……木の下に落ちてたの…猫にやられたのかもしれない‥。」

「………。」

「この子もプログラム…なんだよね。」

「えぇ。」

「だけど、暖かいよ?きっと死んだら冷たくなるし、痛いし、血だって出る。それなのに…。」

…。」

「プログラムも人も変わらないのに……。」


セラフはそっとの頭を抱き優しく撫でてあげる。
彼女の瞳からはとうとう涙が零れ落ちた。
点々と涙の雫が冷たくなりつつある小鳥に降り注ぐ。
と、その時が小さく息を呑んだ。


「っあ!せっセラフ!!」

「これは……。」


彼女の掌に乗っていた瀕死の小鳥の傷口が青く鈍い光を放ちみるみるふさがっていく。
は驚きの顔でセラフを見上げる。
セラフも現状が良く分からないのか驚いている。


「ぁ……。」


小鳥の傷はすっかり治り、の肩に止まると心地よい鳴き声を発した。
彼女の肩から飛び立つと数回旋回した後飛び去って行った。
暫しその光景を呆然と見ていた二人ははたっと正気に変えると思わず顔を見合わせた。


「セラフ…今の…。」

「…もしや今のがの能力…?」

「私の力…?」

「オラクルに聞いてみましょう。」

「うん!」


二人は真相を聞きにオラクルの元へ急いだ。














「オラクル。」

「あらあら如何したの二人とも。」

「あのねさっき……。」


オラクルはソファに座ったままにっこりと二人を見上げた。


「小鳥は飛んでいったのかしら?」

「ぇ?」

「知ってたんですか…。」

「ふふ。私は預言者よ?」

「それじゃあオラクル私の能力って…。」

「えぇ。貴女の力はまだまだ未知数なの。現に"夢"を介して別の場所へ行ったり機械達の兵隊を止めたり未知な物が多いわ。」

「うん…。」

「今明確に分かっている能力は傷ついたり破損したプログラムを修復する力。」

「一種の治癒能力…ですか?」

「えぇそうね。」

「さっき涙で治ったの?」

「貴女が念じればきっとその力は現れるわ。」

「ぁ…じゃあセラフが怪我をしたらすぐに治せるんだね!!」


は嬉しそうにセラフを見上げオラクルに視線を向ける。
彼女は柔らかく微笑むと手に持った紅茶を啜る。
セラフは至極嬉しそうな彼女の頭を軽く撫でる。


「でも…ネオやトリニティは治せないのかな…」

「大丈夫よ。彼等がマトリックスに侵入している間は、ね。」

「?」

「マトリックスには彼等の精神体がきているの。精神を暗号化しているからプログラムと同様に修復も可能なはずよ。」

「そうなんだ……。」


は自身の掌を見つめゆっくりと拳を握った。
セラフは訝しげに彼女を見つめる。


?」

「ぁ‥ううん。オラクルありがとう。教えてくれて。」

「えぇ。」


はオラクルにペコリと礼をするとそのまま自室へと帰っていく。


「オラクル…は如何したんですか?」

「彼女にも悩みがあるのよ。……セラフ。を支えてやりなさい。」

「はい。私が彼女を守ります。」


セラフはオラクルの言葉に微笑むと彼女の後を追いの部屋へと向かった。
オラクルは彼の台詞に苦笑すると紅茶を啜った。

















。」

「ッ!!……セラフ?如何したの?」

「少し…様子が可笑しかったので。」

「おっ可笑しかった…ハハ。やっぱり?」

「えぇ。」


ベットに突っ伏したはドアの所に立っているセラフに誤魔化した様に笑ってい見せた。
セラフはそんな彼女に苦笑しつつ部屋にゆっくりと入るとベットの端に腰掛けた。


「如何したんですか?」

「うん……嬉しかったんだ。自分に何が出来るだろうって考えて…出来ることが見つかったから。」

「前にも言いましたよね。貴女は…。」

「ありがとう。憶えてるよ。でも、ね。やっぱり皆を助けたいから…目に見えて出来ることがあるってやっぱり嬉しいよ。」

…。」


はセラフに向け片手を差し伸べる。
彼は彼女の手を握る。彼女はニッコリと微笑むと彼の腕を自身の胸に抱きこんだ。


「セラフが怪我をしたらすぐに治してあげるからね!ぁ…でもまず怪我しない方がいいんだけど…。」

「えぇ…極力そうします。」

「うん。」


彼女の嬉しそうな、何処か吹っ切れたような笑みを見てセラフもまた柔らかく微笑んだ。

























後記

主人公の能力…ってことで書いてみました。
主人公がオラクルの元に居るのでついついセラフと多く絡んじゃう。まぁ愛故ですから(笑)




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