天使
天使
「セラフはどうして天使って言われてるの?」
「………サティ。それは誰に聞きましたか?」
「とネオが話してたの!」
「…………………あの二人は…。」
自身を見上げるサティの純粋な瞳にセラフは大きく溜め息を付いた。
「♪〜…♪♪。」
鼻歌を歌いながらは心地よい風を感じつつ洗濯物を干している。
「。」
「ひゃぁ!?って…セラフ〜。どうしたの?血相変えて…。」
行き成り声をかけられて驚いたは背後に立つセラフを見上げ小首を傾げた。
セラフはの肩をガシッっと掴むとにっこりと微笑んだ。
ただし、サングラス越しの瞳は笑っていなかった。
「い”っ!?」
「…少し話があります…。」
「はっはぃぃ…。」
「あぁその事…サティ聞いてたんだ…。」
「全く。サティを納得させるのにどれだけ苦労したと…。」
「納得したんだ…でも。疑問だったんだもん〜。」
どうやらネオが来ていた時に彼に対してセラフの事を聞いていたようだ。
何故セラフは『翼の無い天使』と呼ばれるのかと。
「でもどうして翼が無い天使なの?」
「………さぁ。」
「ん〜〜…翼か…。」
「?」
翼が無いって‥飛べない。天から堕ちたって考えられるけど。
飛べないつまり…自由が無い?自由になれないってことかな。
うーん…。
自身の思考に陥りかけた彼女の肩をセラフが揺さぶる。
「あっなに?」
「そんなに深く考え込むような事でも無いでしょう?」
「でも…気になるよ…。」
「全く…。」
「セラフは『翼の無い天使』って言われるの嫌いなの?」
「……あまり好きではありませんね。」
「そっか……でも。」
貯水タンクに腰掛けたセラフを見上げる。
強い日差しのせいで彼のサングラスが透けて見える。
「でもセラフは天使ってあってると思うんだ。」
「なぜ?」
「私はカトリックじゃないから詳しく知らないけど雰囲気が…かな?」
「雰囲気が天使とは…一体…。」
「あー…えっと。セラフは天使様みたいに傍に居てくれるだけで安心するよ?うん。そういうことだよ!」
は恥ずかしいのか一気に捲くし立てると軽い音を立てて貯水塔を飛び降りる。
そのまま洗濯籠を抱えさっさと階下へ降りて行ってしまった。
セラフは彼女の後姿を驚いた様子で見つめたまま苦笑した。
「天使……か。」
彼の白い上着が風に靡きまるで天使の羽のように見えた。
「やっぱり似合うと思ったんだ〜〜!!」
「……………。」
「ね!サティ可愛いよね!」
「うっうん…すごく…素敵だね…。」
「あらあら…。」
嬉々としたと何処か気恥ずかしそうなセラフを見てオラクルは苦笑した。
セラフは普段の服装なのだが彼の背には白い天使の羽。
「チャイナタウンで見かけて思わず買っちゃったんだよね!」
「……私よりやサティの方が似合うと思うのですが……。」
「ううん!!私のイメージだとやっぱりセラフに一番似合うよ!」
セラフは彼女の笑顔に俯く他なかった。
そんな二人のやり取りをオラクルとサティは顔を見合わせて笑みを浮かべた。
「あっ!!写真撮ってネオ達にも見せようよ!」
「ッ!?!!やめなさい!!」
後記
天使と言ったらセラフでしょう。まぁ主人公さんってのも有でしょうが。
実はセラフに天使の羽つけたかったんですよ(爆)
ハロゥインの時はぜひセラフには天使の羽を希望しますね〜。
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