Glamorous Lip





Glamorous Lip


















「………狂……なに?」


は此方をじっと見つめてくる赤目の男…狂を見返し訝しげに小首を傾げた。
狂の視線を辿るとそれは彼女の唇へと向かっている。
は思わず自身の口を掌で隠す。


「……妙に紅いな‥。」

「は?…あぁ!此れのことね…。」


は狂の言葉に徐に頷くと掌を外し彼に見せる。


「ゆやさんに少し貸して貰ったんだ〜。最近唇が荒れててさ。薬用なんだよ。」


そう。彼女の唇を艶やかに彩っているのはゆやの持っていた紅の製だ。
現代的に言えば色付きのリップクリームの様な物で、薬用効果がある。
狂はに無言で近づくと、彼女が背を預ける木へ両の腕を押し付けた。


「なっなに?」

「……………。」


片手で彼女の顎を捉えそのまま口付けた。


「んんッ!?」


行き成りの事に驚いたは大きく瞳を見開き暴れようとする。
だが片腕を彼に掴まれ、しかも木に身体を押し付けられているので身動きすら出来ない。
ぴったりと合わせられた唇と酸素を求めて開いた口内へ舌を差し入れ撫で上げる。


「ふ…ん…んぅ…っ」


酸素不足による自然な涙が溢れ頬を伝う。
狂の唇が少し離れ彼女の唇をなぞる様に這う。


「ん…や…。」


身を捩り離れようとする彼女の左耳を軽く噛み少し体を離す。
は涙目で頬を染め狂を睨みつけた。


「なっなにするのッ!!!」

「…おめぇはそのままがいいんだよ。」

「はぁ?……ぁッ!?」


は掴まれていない片手で自身の唇を拭った。
手には先程まであったであろう紅が付いていない。


「ちょっと狂!せっかくゆやさんに貰ったのに取っちゃうなんて酷い!!」


下から彼を睨みつけ頬を膨らますに狂は笑みを浮かべる。
耳元に唇を寄せるとは身体を強張らせた。


「一日中男を誘惑する気か?……それとも今すぐ欲しいのか?」

「ッッッ」


吐息交じりの狂の台詞には真っ赤になる。
彼は彼女の様に満足したのか彼女の身体を開放し自身はさっさと酒瓶の置かれた所へ戻って行った。
はずるずると下へへたり込むと頬を押さえ涙交じりだ。


「ッ…狂の馬鹿ぁあああ!!!」


の絶叫が響き惰眠を貪っていた紅虎が木から落ちたのは言うまでも無い。







後記

風颯様に捧げる相互リンク記念夢でした。
狂さんは久々に書きました〜。リップクリームになるようなのがあるのか謎ですが;
これは…微エロ…ですかね??こんなやつですがさんどうぞこれからも末永く仲良くして下さいませv
1月中までコピー可能です。