UNEXPECTED HAPPENING
UNEXPECTED HAPPENING
それは平凡な一日のはずでした。
オラクルに許可を貰い日用品などをセラフと共に買いに出かけた嬢。
まさか…偶然にしても彼等に遭遇する事になろうとは…。
「ね〜セラフ。お菓子買っていいかな?」
「またですか…この前も買っていたでしょう?」
「だって新製品だもん。」
「仕方ありませんね。」
何気に甘いセラフは彼女のお願いを承諾しました。
細々とした買い物が終わり帰ろうと店を出た時不意に彼女の肩が掴まれました。
「。ようやく見つけた。」
「へ?」
振り返った先にはピシッと黒のスーツを着、サングラスを掛けた元エージェントの姿。
「スミスさん?」
過去に一度会った彼についてはセラフやネオが詳しく教えてくれていました。
元エージェントで今は自分達と同じエグザイル。
但しとても危険な人物だと。
そんなことはすっぱり忘れたは久々に見る彼に笑みを浮かべます。
「お久しぶりです!あの時以来ですね〜。」
「あれからずっと探していたよ。」
すると先に居たセラフが彼女が来ない事に気付き慌てて此方に駆け寄ってきました。
彼の視線にスミスが映った途端、彼の顔面は目に見えて蒼白になります。
「っ!!!?」
「セラフ?」
彼女の腕を引きスミスから遠ざけます。
スミスはセラフを見るとニヤリと笑いました。
「ほぉ。久しぶりだな…。」
「…彼女になんのようだ。」
「個人的なことでね。」
「セラフ?スミスさんのこと知ってるの?」
「。私が足止めをします。逃げなさい。」
「えっ??何で逃げるの?」
「いいから早くっ!!」
「っ!!はい!」
何時に無く真剣な彼の叱咤には慌てて駆け出します。
セラフとスミスは対峙し睨み合っています。
「なぜを狙う。」
「それは君には関係ないことだよ”翼の無い天使”。」
「……また倒されたいのか?」
「残念ながら昔の私ではないのだよ…今は君に構っていられないのだ。」
「なっ!!?」
セラフの周りに三人のスミスが現れました。
「君は彼等と遊んでいてくれ。」
「まっまて!!」
スミスは彼の分身達とセラフを残しの後を追い掛けました。
「にしても…なんでセラフはスミスさんのこと嫌ってるんだろ??」
現状が分からないもののセラフの言葉に従いは家路にへと走っています。
すると急に彼女の身体が浮きました。
「ぅきゃあ!!」
視界を染める色は白。
回転する視界を必死に堪えながら彼女は相手を見据えました。
「っツインツー!!!」
「久しぶりだな?」
「なっなにしてんのっ;;」
「なにって…捕獲?」
「そうじゃなくて―!!!」
彼の肩に担がれながらはジタバタと暴れるものの彼の腕からは逃れられません。
すると其処に全く見た目の同じもう一人の男が現れました。
「見つけたのか。」
「あぁ。この通り。」
「ツインワン!!」
「久しぶりだな?。」
「ねぇ。何で私捕まってんの?」
「そりゃあ…なぁ?」
「あぁ。」
「??」
「「構いたいから?」」
「あんた達は…。」
声を揃えて言う白い双子には米神を押さえ。
「早く家に帰らないといけないんだから〜降ろしてよっ!!」
「駄目だ。」
「せっかく捕まえたんだからな。」
「何でも言う事聞くから降ろして!!」
「「…………何でも?」」
「う"っ…。」
いっ言わなきゃ良かった…。
彼女の言葉に双子はまたも声を揃えて問いかけます。
その時の彼らの顔といったら…それはそれは楽しそうです。
そんな彼らを見ては瞬時に後悔します。
「そうだな…。」
不意に抱えられていたは降ろされました。
ツインツーは背後から彼女を抱き締め。
ツインワンは屈んで彼女の瞳を見つめます。
は二人の行動にあから様に動揺したらしく赤面して慌てています。
それもそのはず彼女は生粋の日本人。
自分からのスキンシップならともかく大人の男性に過剰にスキンシップされる事など慣れているはずも無く。
(それでもツインズのせいで少し慣れてはきているものの)
「なっなに?」
サングラスで表情は分からないもののツインワンはとても楽しげです。
背後では彼女の腰に手を回したツインツーがの耳元に唇を寄せています。
「っちょっ近いっ!!」
離れようともがき出したを咎めるようにツインワンが唇を寄せ囁きます。
それはいつもの彼より低く甘く。
「…俺達の部屋に来ないか?」
「ぇ?」
次にツインツーが彼女の耳元で囁きます。
「言う事聞くんだろ?」
「ぅ…。」
彼等の甘い囁きに彼女はへにゃっと力が抜けてしまいます。
白い双子は上機嫌でを抱えました。
今度はツインワンがもちろんお姫様抱っこで。
「それにしても本っと運が良かったよなぁ。」
「全くその通りだな。」
「奴らまだ戦り合ってんのかな。」
「どうだろうな。」
どうやら彼等はメロビジアンの元に進入した者の排除の為に町へ来ていたようです。
彼等は彼女がスーパーから出てくるのを見て、セラフがいることにもスミスがいることにも気付いていました。
それならば厄介なあの二人を一緒にして彼女一人になるのを待てばいい…。
見事に漁夫の利をなしたのです。
ただし、例外もありますが。
「おや。君達…彼女を返してもらおうか?」
「あれ?もう来た。」
「セラフめ…もうやられたのか?」
「え?あっスミスさん!」
「さぁ。こっちへきたまえ。」
「行きたいんですけどね…。」
「は俺達と約束がある。」
「あんたはセラフとでも戦り合ってろ。」
「彼は残念ながら"私達"と遊んでいるよ。」
彼の言葉の意味を解せない三人は訝しげに顔を見合わせます。
あのセラフが簡単にやられるはずは無いと。
流石のもセラフが心配になってきました。
ですが、その心配も無用です。
「っ!!」
「セラフ!!」
彼等に向かって駆けて来るセラフの姿を目に止めたはぱっと笑みを浮かべます。
には分かっていました。
今この状況ではセラフが一番まともだと。
そして一番いろんな意味で危険なのはいま自分を囲んでいるツインズ達だと。
「なっ!?」
セラフはスミスのみならず、ツインズの出現に驚いているようです。
「なぁ兄貴?」
「何だ?」
「逃げる?」
「そうだな。」
「ちょっ!?」
白い双子はさっさと彼女を抱えて走り出しました。
それに気付いたスミスとセラフ。
二人も慌ててツインズもといを追いかけます。
「ツインワン!!離してっ。」
「駄目だ。約束だろ?」
「うっ…だって…。」
「約束は守るもんだろ。」
「う〜…。」
そしてこちらスミスとセラフ。
「そういえば私達は如何したのかね?」
「倒した。」
「ほぉ。それはそれは…。」
「それよりも今はあいつらだ。」
「確かにそうだな。」
流石にツインズに連れて行かれてはまずいと感じたのか、二人は争うことなく走っています。
「どうする?」
「しつこいな。」
「セラフ〜」
「っ!!」
「いい加減に彼女を降ろしたまえ!」
メロビンジアンの城まで連れて行かれかけた所でなんとかセラフによって助けられた(?)嬢。
「たっ助かった…。」
「何もされてませんか?」
「うっうん…。」
「「〜次は絶対連れて帰るからな!!」」
「……まだ懲りないのかね?」
ツインズを囲うのは100単位のスミス達。
パワーは圧倒的だがツインズの回避能力の方が勝っているらしくしきりに彼女に話しかける二人。
流石のスミスもムカついているようです。
「二人とも〜死なないようにね〜。」
「帰りましょう。」
「うん。」
帰り着いたはオラクルに切々と今日起こったことを話しました。
彼女の心にはしっかりと書き込まれたことでしょう。
なによりツインズは危険…と。
後記
霧生月 汐琉様に捧げます(>_<)
ツインズ風味でスミスとセラフも…だったはずが;;
むしろセラフ夢のような;;すいませんっ;
こんなヘタレですがどうぞ末永くよろしくお願い致します!
相互リンク記念書かせていただきました。
