Princess Scramble









Princess Scramble











それは未来。
指輪の脅威は消え、世界に平安が戻った時のもしかしたら起こり得るかもしれないお話。


。」

「レゴラス?どうしたの?」

「探して居たんだよ…。」

「ごめんね?それで…?」

「そろそろ闇の森へ行かないかい?」


は彼の言葉に首をかしげます。


「あぁ!!そうだね〜。スランドゥイル様に会いたいし…。」


彼の言葉に笑顔を返すにレゴラスも柔らかい笑みを浮かべ。


「あっ。それじゃあお父様に出かけるって言ってこないと。」

「あぁ。行っておいで。」


パタパタと走り去る裂け谷の姫君を見送る彼の笑みの深かった事…。
たまたま近くにやってきたゴンドールの執政ボロミアは眉根を寄せ彼に話しかけました。


「レゴラス?どうしたんだ。」

「あぁ。ボロミア。いいえ…私の可愛い姫君をようやく連れて帰れるからね。嬉しくて。」

「私のって…まさかそれはの事では無いだろうな?」

「彼女以外誰が居るんだい?」

「なっ!?駄目だ!!そんなことは許さん!!」


レゴラスの言葉に一気に頭に血が上ったボロミアは彼に飛びつかん勢いで捲くし立てます。


「そんなこと君には関係ないね。私との問題だ。」

「関係あるに決まっている!の事を思っているのはお前だけじゃ…。」

「へ〜…死にかけた所をに助けてもらったような軟弱な人間に彼女が靡くとでも?」

「ぐっ。…だが、我が王も許さんぞ!」

「あ〜エステル?彼に文句は言わせないよ。」


可哀想なボロミアはレゴラスの言葉に返す事も出来ません。
と、其処に何やら話声が近づいてきます。


。分っておくれ…闇の森だけには行かせる事は出来ん!」

「でも、お父様…スランドゥイル様にはお世話になったんです…。だからあいさつだけでも…。」

「だが、お前の身が危ないのだよ…。」


裂け谷の王エルロンド卿はそれはそれは真剣な眼差しで愛娘の肩を掴んでいます。
と、其処には此処、裂け谷のもう一人の姫君アルウェンの姿があります。


「そうよ。…アラゴルンや他の誰かと行ったらどうかしら?何だったらエレストールやフィンデルを付けてもいいわ。」

「でも…アラゴルンは王様だし。他の皆だって色々忙しそうだもん‥フィンデルさん達はお仕事があるでしょ?」

「レゴラスとだけは駄目よ?」

「何で??同じ場所に行くのに…。」

「(送り狼もといエルフになる可能性が高いわよ…。)」

「とにかく、駄目だ。」

「お父様…。」


はエルロンドの衣を掴み高い身長の彼を涙の溜まった瞳で見上げます。
彼女の姿にエルロンド卿は遇の声も出ません。


「駄目ですわ。お父様…。」


背後では何やら黒いオーラを醸し出すアルウェンが無言のプレッシャーを称えています。


。そんなに行きたいのであれば私も共に行こう。」

「ぇ?お父様が??」


と、其処にレゴラスが話しに入ってきます。


「エルロンド卿。裂け谷の王たる貴方がそう簡単に出歩いても良いのですか?」


レゴラスの出現にエルロンドの眉間の皺は寄り一層深くなります。


「其方に言われるまでも無い。スランドゥイルに話があるのだ。」

「…そうですか。それでは私達は先に行きましょう。卿は色々とご準備があるでしょうから。」


そう言うと、の腕を掴みさっさと歩いて行くレゴラス。
慌てて彼の後を追いかけるボロミアとエルロンド。
そして何やらしているアルウェン姫…。


「レゴラス…。」


彼女はさり気無く警備のエルフを呼び彼を射るように命じていました。
流石に動揺する彼等にただただ彼女は美しい笑みでこう言いました。


「躊躇わず殺りなさい。ただし、に傷を負わせようものなら…分っているわね?」


どこぞの恐ろしい御方と被って見えるほどの後光を放ちながら言い捨てる彼女に慌てて警備のエルフ達は飛び出して行きました。





「れっレゴラス??いいのかな…」

「フフ…大丈夫だよ。それに君は何も心配は要らないよ?」

「あっ…。」


彼に何時の間にやらお姫様抱っこされていたは背後の気配に目を向けます。
背後からは必死の形相で追いかけてくるボロミアの姿…。
そして、長い衣を翻しながら此方も負けず恐ろしい形相のエルロンド卿の姿。


「おっ怒ってる…。」

「私達を遮る物など無いよv」

「ちょっレゴラスっ!?」


長い廊下を走っていた彼は何を思ったかテラスから飛び出しました。
ばっとテラスに張り付くエルロンドとボロミア。


「それではは闇の森に連れて行きます。御機嫌ようお二人とも。」


何と準備のいい事でしょう。
彼の飛び降りた先には純白の一頭の駿馬。
彼はを抱えているにもかかわらずまるで羽でも生えたかのようにふわりと飛び乗ると颯爽と駆け出しました。





「れっレゴラス…いいのかな。勝手に出て来ちゃって…。」

「平気だよ。それに君を連れて帰れと父上に言われてたからね。」

「そうなの?まぁ…行きたかったんだけど。」

「それなら問題ないね?」

「う〜ん…そうだね。」


そういうと彼女は彼の胸に自身の背を預けました。
だけは知りません。彼が何を考えているのか…。


。」

「なぁに?」

「ずっと側に居てくれるかい?」

「うん。だって私の居場所は此処中つ国だから。」


はレゴラスの言葉の意味を理解していないようでした。
それでも今の彼にはそれだけで十分です。
自分達にはたっぷりと時間があるのだから…。
彼は愛しげに彼女の腰に腕を回しぎゅっと抱きしめると、馬の足を速めました。








と、こちらお姫様を奪われた裂け谷では…。


「馬を!馬を出すのだっ!!!何としてもを取り返せ!!」

「ボロミア殿。ゴンドールのアラゴルンに応援を頼んでください。あぁロスロリアンにも応援をっ!」

「はい!すぐにでも馬を走らせます!ローハンにも連絡をせねばっ!!」


エルロンド卿はその顔を怒りに染め、すぐにでも自身も馬を走らせん勢いで。
(既に馬の手綱を握っている)
アルウェン姫はその笑顔を絶対零度の様に輝かせながらボロミアに助けをこい自身も何故か剣を持ち。
(その姿はどこぞの女王の様)
ボロミアは顔面蒼白で馬に飛び乗ると走り出します。
(彼の手に剣が握られているのは何故)
そして、愛らしい姫君を失った裂け谷のほかのエルフ達さえも動揺しています。
あのエレストールや冷静なグロールフィンデルまでも血相を変えて慌てています。


彼らの応援要請はとても早く。その日の内に中つ国中を駆け回りました。
ゴンドールの王アラゴルンやボロミアの弟ファラミア。(国はいいのでしょうか?)
ローハンのエオメル。(この方も国は?)
ロスロリアンのハルディアや彼の弟達。(ロリアンの警備は??)
そして裂け谷の面々の連合軍は愛らしい姫君を奪還すべく旅立っていきました。




指輪の脅威の無くなった此処中つ国でも平和を導いた一人の少女の争奪合戦は始まったばかり。
レゴラスの一人勝ちになるのか…
それとも?


















後記

メイカー様に捧げますっ!!スイマセン(土下座)
レゴラス夢だったはずが何故かギャグに;;
ごめんなさいっ;;あれだったら書き直します;;
とっとりあえず相互リンク記念に捧げます。
メイカー様へ。