蜂蜜
蜂蜜
「。それ美味しそうです…。」
「ぇ…?あっLも食べる?」
少し早く起きた朝、捜査本部に向かう前に私とLは部屋で朝食を取る事にした。
普段Lはあまり食事らしい食事を取ろうとはしない。
ワタリさんが作ってくれた食事を私が食べさせてあげるというのが何時ものパターンだった。
(口を開けて待ってるLがすごく可愛いの!)
Lの食事を先に終わらせて、私はロールパンにバターを塗って蜂蜜を垂らしていた。
隣に座ったLが指を咥えながら私の手を凝視している。
「蜂蜜塗ってるから美味しいよ?」
「はい。美味しそうです。」
「蜂蜜とバターの組み合わせは最高だよね。」
「そうなんですか?ぜひ食べたいです!」
こんなに食欲旺盛(甘い物意外‥いや蜂蜜塗ってるから甘い物か?)なLも珍しくて私は少し笑った。
塗っていた物をLに渡すと彼は両手で持って食べ始めた。
小動物の様に頬を膨らませて食べる彼の姿がとても可愛らしい。
「美味しい?」
「…む。はい。おいひぃでふ。」
「L。紅茶紅茶!」
「すいません……ふ―…。美味しかったです。」
「そっかよかった。」
私は一緒に付いてきたサラダを食べながら先ほど塗っておいたパンを食べる。
Lの視線はパンから瓶に入った黄金色の液体…蜂蜜に向けられている。
「…これ貰ってもいいですか?」
「へ?あっうんいいよ。」
「ありがとうございます。」
Lはいそいそと蜂蜜の入った瓶を手に取る。
語尾が嬉しそうなのは気のせいじゃないよね。
彼は細い指を瓶の中に入れて蜂蜜を掬うとそれをそのまま口に入れた。
「甘そう…。」
「美味しいですよ?」
ぺろぺろと指先を舐めながら再度瓶に指を突っ込む。
なんだか呆気に取られて見ていたが私も食事を再会させた。
その時Lが蜂蜜と私を見比べていたなんて全然気付かずに。
食事も終わりそろそろ捜査本部に向かおうとテーブルを片付け始める。
不意にLに腕を引っ張られて彼の膝の上に乗ってしまった。
「えっわっ!」
「ちょっといいですか?」
「どっどうしたの?」
Lは楽しそうに笑っている。大抵こんな笑いの時の彼はロクな事を考えていないと思う。
思わず逃げようとするけどLの腕が腰に巻き付いてて逃げれなかった。
「なっなに?」
「じっとしてて下さい。」
「ふぇ?」
Lは徐に蜂蜜の瓶に指を入れて垂れないように慎重に指を引き上げた。
彼の指先にはテラテラとした蜂蜜がたっぷり付いている。
それを不思議そうに見ていた私の唇に塗り付けてきた。
驚いて何か話そうとするのを眼で咎められて仕方なく黙る。
「蜂蜜だけでも美味しいですけど、ごと食べたらもっと美味しそうです。」
「ッ……。」
子供のような笑みのわりに言ってる事の危なさに思わずビクリと肩が震えた。
すっかり指に付いた蜂蜜を塗り付けて、その指を今度は自分が咥えている。
微かな水音と指を舐めるLが何所か色っぽくて思わず視線を外してしまう。
「それじゃあいただきます。」
「ぇ?」
膝の上で横抱きされた不安定な状態でろくに抵抗等出来なかった。
最初に唇を舌でなぞられてそのまま口付けられた。
「ふ…んん…!」
「ん。…甘くて美味しい…。」
「ぁン…え…エルッ…ふぁ。」
「可愛いです。」
すぐさま口内に入って着たLの舌はとても甘かった。
蜂蜜の甘さかキスの甘さか分からない位意識がぼぅっとする。
どれ位キスを交わし合っていたんだろう。
そう思うほど、意識が蕩ける程長い間キスをしていたような気がする。
「ふ…はぁ…はぁ…。」
酸素不足でくらくらし始めた頃ようやくLは唇を離した。
口の端から飲みきれなかった唾液が垂れている事に気付いているけど拭うだけの力がなかった。
Lは私の顎を掴んで口端から顎、首筋まで舐めている。
濡れた感触が滑る度に身体の中の熱が溜まっていく感じがする。
「んゃ…や…える…っ。あ…ん。」
「…。」
声に気付いてLが此方を見ていた。
すっかり忘れていた蜂蜜の瓶をLは近くに持ってきてまた自分の指を中に入れた。
引き抜いた指からはぽたぽたと粘着質な雫が垂れる。
先程までの慎重差がないからきっと彼もあまり余裕が無いのだろう。
私の唇に指先を当てている。
「…口開けてください。」
「んん…。」
促される様に唇をなぞられてそっと開けるとLの指が入ってきた。
「美味しいでしょう?」
「ふ…Lの馬鹿…。」
「私に馬鹿なんて言えるのはだけです。」
「む…ん…んん。」
「の前だけ私は馬鹿になるみたいです。」
私はLの手を両手で掴んで蜂蜜を舐め取っていく。
時折口の中で私の舌と擦り合わせるように動く指を歯で甘噛みしながら。
まるでL自体が甘いお菓子のような錯覚。
「……しませんか?」
「ふ…??」
「すごくやりたいです。」
「…ふぁ。えっL?」
指先が抜かれて思わず息を飲んだ。
Lは微かに震えながら潤んだ瞳を此方に向けている。
これはもしかしなくても…。
思わず逃げ腰になる私を捕まえて。
「…もっと食べたいです。」
「でっでもそろそろ捜査を…。」
「まだ大丈夫です。」
「いっや…あの…。」
「我慢…できません。」
「きゃぁっ!えっL駄目だってば!」
有無を言わさず私を抱き上げたLは寝室にどんどん進んで行く。
彼の手に蜂蜜の瓶が握られているのを見てとても嫌な予感がした。
「えっL…蜂蜜どうするの?」
「勿論。に掛けて私が食べます。」
「ぎゃ!?なっなにそれ!!」
思わず本気で抵抗するとLは嬉々として私を寝室に連れ込んだ。
「大丈夫ですよ。綺麗に舐め取って上げますから。」
「いやああああ!」
「どうしたんですか?ちゃん…いやにぐったりしてるけど。」
「朝から甘い物を食べ過ぎて胸妬けしてるみたいです。」
「そんな竜崎じゃないんだから…あっ♪…」
「…松田…そのヤラシイ顔やめろ。」
「なっなんですかー相沢さん!」
何時ものソファに座ったLの膝の上で泥の様に眠るを見て松田は見当を付けたのはにやにやと笑った。
隣で資料に眼を通していた相沢は汚い物を見るような眼で松田を見る。
テーブルの上にはすっかりからっぽになった蜂蜜の瓶が置かれていた。
余談だが、後日ワタリに様々な蜂蜜を用意させたのはLだけの秘密だ。(使用方法はともかく)
後記
甘い物は=Lって感じですよね。これ実は裏の続きを予定したんですが。
とりあえずこれだけUP…。
本編でまだ其処ら変のフリがないので書きづらいっス;
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