呆れた笑顔で







呆れた笑顔で

















常々私は想う。
彼女は如何してあんなにも警戒心が無いのだろうと。
未だに彼女が成人に近い年齢だとは思えない。
まず、彼女に関して困ることがあるそれは…


「ネオ!トリニティ!!!」

「おっと。少し重くなったかな?」

「む〜。太って無いもん!!」

「あらはもう少し太った方がいいと思うわ。」

「えぇそうかなぁ…?」


は部屋に入って来たネオとトリニティに飛びつく。
ネオに軽々と片手で抱え上げられながら彼の首に縋りつきニッコリと笑みを浮かべる。
セラフはの後に居間から出てくると呆れ気味に彼女を見ていた。


「何をしているんですか…。」

「あらセラフ。」


トリニティはセラフに向き直ると此処にきた理由を話していた。
セラフはオラクルに用事があるという彼等にオラクルは中へ居ると話した。


「そう。それじゃあ行ってくるわ。」

「……救世主はいいんですか?」

「えぇ。今回は私が用事があるのよ。」


トリニティは笑みを浮かべ奥へと入っていった。


「ねぇそういえば今日の用事はトリニティだけなの?」

「あぁ。俺はお供。それにに会いたかったしね。」

「そっかぁ。」


ネオはサングラス越しに柔らかな視線を向け彼女の米神に挨拶代わりに軽くキスをした。
それを見て平穏ではいられないのはセラフだ。
二人に近寄るとへ手を差し伸べる。


。いい加減に降りなさい。」

「ぁセラフ。トリニティは?」

「オラクルの元に行きましたよ。」

「そっか…。あっネオ後で時間ある?クッキー作ろうと思うんだけど…。」

「あぁ。楽しみにしておくよ。」

「うん!」


傍から見れば朗らかな光景だがセラフの内心は全く穏かではない眉を顰めながら二人を見る。
はセラフの手を取り彼の首元に抱き付いた。


「全く…貴女は無闇に人に抱きつきすぎです。」

「スキンシップは大事なんだよ〜?」

「はぁ…。」

「ぎゅってするの好きだもん。」


セラフは呆れつつも自身にしがみ付いてくる愛らしい姿に笑みを浮かべる。


結局は呆れつつも微笑んでしまう。
彼女のすごい所だろうか‥。
ただ、男女の違いというか…危なげな所を彼女は全く理解していないのだろう。
オラクルに聞いてみたのだが私のこのような感情は人間で言う嫉妬に当たるそうだ。
まだ救世主やトリニティはいい。彼等はに対して妹の様に接しているからだ。(少々過保護すぎる気がするが)
モーフィアスもにとってはいい父親のようだしオラクルも家族のようだ。
ただ問題なのは最近良く意味も無く来るようになったゴーストと何時ぞや会ったらしい白い双子だ。
彼等はあから様にに対して好意を持っているのが明白だ。
そんな彼等の思惑にも気付かず彼女は微笑みかける。やはり私が守らなければいけない。


「どうしたの?セラフ?」

「いえ……。」

「さっクッキー作ろう?」

「えぇそうですね。」


貴女の笑みを見る度に守りたいと想う。
今はまだそれだけで十分だ。



















後記

初セラフ独白(笑)
一人称の時は敬語とか抜けてそうだなぁ…。
でもサティとかには敬語抜けそう(笑)
主人公さんは危機感が無いって話ですね。
でもそれを考えたらセラフも…。というかうちのセラフさんは少し黒いのか?




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