You who are childish.






You who are childish.




















「あ〜…最悪…次は魔法薬学だよ…」

「ロン。声大きいよ‥何処にスネイプが居るか分からないんだから!」

「大丈夫だよ。こんな時間帯にスネイプ先生は此処通らないから。」

「それより急ぐわよ!遅れでもしたら何を言われるか!」


何時ものメンバー。
ロン、ハリー、、ハーマイオニーは足早に魔法薬学の教室へと向かっていた。
すると後ろから鼻に掛かった物言いが聞こえて一斉に振り返った。


「そんなに急いで何処に行くんだい?ポッター?」

「…マルフォイ…。」

「あれ?ドラコおはよ―。」

「あぁ。。おはよう。」


厭味ったらしくハリーに向けて話しかけたものの間からが笑顔で話し掛けて来た為其方を向く。
ハーマイオニーは早くこの場を去りたいらしくの腕を掴んでいる。


も次の授業は魔法薬学かい?」

「うん。ドラコも?」

「そうだよ。こんな奴らより僕と一緒に行かないか?」


ハリーに向けた何時もの鼻に掛けた態度ではない。
何時もの彼よりあどけない程の笑みでにだけ話しかける。
それを聞いていたハリーとロンが口を挟む。


「残念だったねマルフォイ!はこれからもず〜っと僕達と一緒に居るんだ!!」

「そうそう。誰もお前みたいな嫌な奴なんかと一緒に行かないね!」

「なんだと。ポッター…それほどを束縛したいのかい?ウィズリー!!お前なんか誘っていない!!僕はと…?」


三人が何だかんだ言い合っている内にハーマイオニーがを連れて先に行ってしまった。
ふと気が付けば予鈴が近い。
慌てて三人+αは地下へと降りていった。



















「ねぇ。ハーマイオニー…ハリー達置いてきてよかったかなぁ?」

「大丈夫でしょ。全く…マルフォイも本当に分かりやすいわよねぇ。私の(・・)に手を出すなんて100年早いわ。」

「?」

「あぁ。は知らなくてもいいのよ。男共のことなんて!」

「はい?」


はハーマイオニーの言葉を聴きながらハテナ顔だ。
すると、慌てて駆け込んできたハリー達が見える。
ハリー達は達が座っている席に行きたかったがもう席を取られているためしぶしぶ後ろの席に座った。
マルフォイはスリザリン側のに一番近い席に座った。


「ねぇ。ハーマイオニー。闇の魔術の防衛術のレポート終わった?」

「えぇ。終わったけど…あれ、まだ期限があるでしょう?」

「うん。それでちょっと分からない所あるから放課後図書館に付き合ってくれる?」

「いいわよ。丁度私も調べたいものがあったから。」


とハーマイオニーが他愛も無い話をしているとバーンという大きな音が響いた。
カツカツと神経質な靴音を響かせ教室に入ってきたのはもちろん魔法薬学教授セブルス・スネイプその人。
それからすぐに授業が始まりスネイプは相変わらずネビルを集中的に攻撃(嫌味の)していた。
はふと肩を叩かれ横を向くとマルフォイが居た。


「?如何したの?」

…。前々から言ってるけど…。」


マルフォイはちらりとスネイプへ視線を向けまたすぐにに向ける。
そして極力小さな声で話す。


「なに?」

「グレンジャーのことだ。」

「ハーマイオニーが何?」


は入学時からマルフォイに延々と言われ続けていた。
グレンジャーのような汚れた血と付き合わないほうがいいと。
はその言葉を聴いた時は本気で怒った。
それから一応謝りはしたものの、マルフォイは再三言ってくるのだ。
彼女はマルフォイの言葉に顔を顰めあから様に嫌な顔をする。


「前にも言った通り君は生粋の純血なんだ。それなのに…。」

「………………………。」


は彼のその言葉だけでも嫌気が差したかのように視線を外す。
それをみてドラコは慌てて話を続けた。


「汚れた血が側に居るだけで君まで穢れてしまうかもしれないんだぞ!」

「っ!!?」


マルフォイの少し大きめの声には大きな瞳を見開き彼を見る。


ガタンッ


「ハーマイオニーは私の親友よ!!それなら貴方が毛嫌いする汚れた物に私もなる!!」

「ちょっ!!」


椅子を引く大きな音に教室中は水を打ったかのように静かになる。
の瞳はきつくマルフォイを睨んでいる。
彼女の頬を涙が伝い身体は怒りで震えていた。
マルフォイはの大声に焦った様に驚愕している。


「っ…?」

「ちょっどうしたのさ?」


ロンとハリーは、事の成り行きを少しだけ見ていた。
話の内容までは分からないまでもマルフォイとが話しているのは見えたようだ。
彼女が泣いている事に動揺したのか立ち上がりかける。
ハーマイオニーはが行き成り立ち上がり泣き出したので慌てて彼女の肩に手を置いた。


「ちょっとどうしたの?私が…なに?汚れた物って…。」


ハーマイオニーもの言葉で大体の意味を理解していた。
またマルフォイがに自分のことを言ったんだろうと。


「座れミス・グレンジャー。」

「っ!」


静かに事の成り行きを見ていたスネイプはへと近づいていく。
ハーマイオニーは不満げにスネイプを見、渋々座った。


「何事だね?ミスター・マルフォイ。」


スネイプは冷ややかな目でマルフォイを見下ろす。
その視線はとても鋭く彼が怒っているのは明白だ。


「いっいえ…その…別に…なんでもないんです。」

「では、何故ミス・は泣いている?」

「そっそれは…。」

「我輩の崇高な授業を邪魔してくれたスリザリンから10点減点。」

「っ!?」


スネイプの言葉にマルフォイだけではない、教室中の生徒が目を見張った。
あのスリザリン贔屓のスネイプが理由はどうであれスリザリンから点を引いた!?
スネイプは周りの反応など無視し未だ瞳からポロポロと涙を零すへ視線を向ける。


「如何した?」

「っ……なんでもない…です。」


そっと彼女の頬を流れる涙をその大きな掌で拭い、行き成り彼女を抱き上げる。
それには周りが驚いた。


「残り時間の内に薬を仕上げ教卓に提出すること。」


それだけ言うとさっさと置くの自室にを抱えたまま入って行ってしまった。
スネイプの予期せぬ行動に教室中は静まり返った。























「セブルス…っ!!!」

「………どうしたんだ?」


は彼と二人っきりと分かると、彼に抱きつきボロボロと泣き出した。
スネイプは懐から徐に杖を出し防音の術を部屋に掛けると彼女をそっと離しソファに座らせた。


「ドラコが…ハーマイオニーのことっ…。」

「…またか…。」


スネイプはの一言で何事か解したのか深く溜息を付いた。
確かにスネイプもハーマイオニーの事は好きでない。
それでも別に純血だどうのというのは問題ではないのだ。
彼はの頭を優しく撫でながら話す。


「マルフォイ家は純血主義の家系だ。幼い頃から純血以外は劣っていると教えられている。仕方の無い事だ。」

「でもっ!!だからって…。私だって純血かどうか分からないのに…。」

「お前は確かに純血だ。だが、今それは関係ない。」

「うん…。」

「グレンジャーのことをは親友だと思うのだろう?」

「うん!!大切な大切な友達!!」

「それならそれが事実だ。マルフォイが何を言おうがお前には関係ない。お前が親友だと思うのなら回りの声に振り回されるな。」


スネイプの言葉にはふにゃっと微笑むと顔を緩ませる。
隣に座る彼の胸に飛び込むとマントを掴んで何度も頷く。


「でも…ドラコも友達だよ…。皆仲良くならないかな?」

「それは無理だろう…。マルフォイの純血主義が如何にかなればの話だ。」

「う〜〜…って…あれ?」

「なんだ?」


はふと思い立って顔を上げた。
目の前にはスネイプの不思議そうな顔。


「あれ?此処ってセブルスの部屋?」

「あぁ。」

「えっ!?じゅ授業は??」

「…お前は…今更何を言うのだ。」


スネイプは呆れたように溜息を付いた。
どうやら先程は周りの状況を見れないほどに動揺していたらしい。
スネイプは部屋に来た経緯を話すと彼女は驚いたように彼を見る。


「ってことは…セブルス私を抱えてきたの?」

「あぁ…。」

「!!?それってかなりやばいでしょ!?」

「なにがだ?」

「だって私とセブルスが一緒に住んでるのも皆知らないんだよ?しかも私はグリフィンドール…。」


はぶつぶつと口の中で呟く。


「今頃‥噂になってるよ!!」

「っ……しまった…。」


意外な事に今更自分のした事実に気付いたスネイプは頭を抱えた。


何とした事か…スリザリンの寮監である自分がグリフィンドールの女生徒を抱え上げ、
自分の部屋に連れて行った。
幾らが泣いていたからと言っても…無理がある‥。


どうやら以上にスネイプも相当動揺していたようだ。
彼女が泣いている事によって周りへの配慮よりもを優先してしまった。


「…………どうするの?」

「…仕方あるまい…。」

「あと10分で授業終わるね…あっ…私まだ課題の薬できてないよ…;」

「放課後此処に来い。」

「え?」

「薬を見てやる。」

「あ〜…でも放課後は…。」

「なんだね?」

「いいえ…お邪魔させていただきます。」


スネイプは吹っ切れたのかさっさと紅茶の準備をし始めた。
はソファに深く座りそんな彼の背を見ていた。















「ねぇ…授業終わっても出てこないわよ?」

大丈夫かなぁ…」

「まっまさかあいつに変なことされてないよね?」

「そんな!…でもあんなスネイプは始めて見たわね…。」


その後授業が終わってもスネイプの自室から出てこないを心配したハリー達がヒソヒソと教室で話していた。
彼女が彼の自室から出てきたのは昼食の時間になってからだった。
もちろんスネイプと共に大広間へ行った為凄まじい注目を浴びてしまった事は言うまでも無い。
それから暫くとスネイプに関するありもしない噂がホグワーツ中を飛び交ったのだった。














































後記

9696Hitのキリリクに亮様よりリクエスト頂き描かせて頂きましたv
はふ〜…思いっきり勢いで描いたんですけど…
コレは何系だ(笑)ほのぼのなのか甘々なのか…;お気に召していただけますかね?