見知らぬ君と。
見知らぬ君と。
「くそっ…。」
まさかエージェントが居るとは…。
ナイオビは無事に戻ったんだろうか…。
それにしてもどうする。
戦るか。逃げるか。
「全く…隠れても無駄だよ。私はエージェントの様に甘くは無い。」
「!」
エージェント…じゃない?
じゃああれがネオ達の言っていたプラグを外された新しいタイプの…
確か名前は…
「あれ?スミスさん?」
ゴーストは少女の声に驚き隠れていた物陰からそっと其方を伺った。
其処には案の定こちらに向けて歩いてこようとしていた元エージェントの姿。
そして、彼に声を掛けたであろう幼い黒髪の少女。
「おや。。久しぶりだな。」
「お久しぶりですね〜。…?スミスさんって御兄弟が居るんですか?」
「何故?」
「なんだか何時ものスミスさんと違うから…。」
「あぁ。は良く分かったな。確かに私はオリジナルではないな。」
「オリジナル?」
「仲間を増やす方法を見つけたのだよ。」
「へ―‥ということは。コピーですね?」
「あぁそうなるな。」
「それで、今日はどうしたんですかこんな所で?」
「少々鼠を見つけて追ってきたのだが…と会えるとは運がよかったな。今日は一人なのかね?」
「鼠?……夕食の買い物に来たんです。セラフが一緒ですよ。」
「翼の無い天使か…今回はオリジナルではないからな…残念だ。」
スミスはの長い黒髪を一房掴み口付ける。
「今日は此処で失礼する。次に会った時はもう少し話したいものだな。」
「そうですね。じゃあまた!」
「あぁ。」
はニッコリと笑みを浮かべる。
スミスは彼女の笑みを見、満足したかのように静かに歩き去った。
は不意にゴーストが隠れている場所に近づいていく。
ひょこんと顔を出し彼を見る。
「もう大丈夫ですよ。鼠さん。」
「なっ…。」
花のような笑みを浮かべ彼を見上げる。
ゴーストは訝しげに彼女を見る。
「もうスミスさんは帰ってこないと思いますよ?安心してください。」
「君は…人間なのか?」
「私はプログラムですよ。貴方は…ネオ達と同じでしょ?」
「ネオを知っているのか?」
「はい。お世話になってますから…。」
「!!」
「ぁ。セラフ!」
其処にゴーストの見知った者が現れる。
は笑顔で彼に近寄る。
すると、セラフは心配げに彼女を引き寄せる。
「どうしたんです。行き成り走ったりなんかして…。」
「あのね。ネオの仲間の人が危なそうだったから…。」
「救世主?」
セラフはようやく彼に気付いたのからゴーストを見る。
「羽の無い天使か…?」
「貴方は…。」
「セラフ知ってるの?」
「えぇ…少し。」
「あっ始めまして。私はといいます。貴方は?」
「俺はゴーストだ。」
「ゴーストさんですか。そういえばネオ達は元気ですか?」
「船が違うから分からないが…無事だろう。」
「そうですか。よかった〜…最近来ないから心配してたんだ…。」
セラフはの肩に手を置いてゴーストを見ている。
はそんなセラフに気付かずゴーストに向けて微笑みかける。
「あの。もしネオ達に会ったら偶には遊びに来るよう伝えてもらえませんか?」
「あっあぁ…。」
「よかった。」
「。そろそろ帰りましょう。オラクルが心配します。」
「ぁ。うん。そうだね。それじゃあゴーストさん。気をつけて帰ってくださいね。」
「あぁ。ありがとう。」
セラフとは手を繋いでビルの間を歩いて行く。
ゴーストはそんな二人の後姿をみていた。
その後無事に現実世界へと帰ったゴーストは自室にて先程のことを考えていた。
MATRIX内で出会った幼い少女。
人間にしか見えないが、自分をプログラムといった。
「……はぁ。」
何故だ?
どうしてこんなにも気になる?
相手は機械が作ったプログラムだ。
幾らエグザイルとはいえ…。
プログラムが気になるなんて…。
「可笑しい。」
でも、あの笑顔がどうしても人間に見えて。
暫く。彼がネオ達に会うまでこの悩みに苛まれる事になる。
後記
初ゴーストさん夢vv
好きなんだけど映画ではあんまり出番無いんだよなぁ(泣)
ゲームでは主人公なのに…。
そういえばゴーストさんって結構衣装変わるよなぁ。
白いスーツもかっこよかったv
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